2007-12-18

クラブW杯 3位決定戦 浦和×エトワール・サヘル 決勝 ACミラン×ボカ・ジュニ

まずは、3位決定戦から。結果は、2-2でPK戦になり、浦和の勝利。浦和の得点者は2点ともワシントン。

これも、なんていうか、微妙な試合になってしまった。両チームとも実力は拮抗。どちらもしっかりとした守備がベースのチームでロースコアになることが予想されたが、前半5分、いきなり坪井がボールの対応を誤り、PKを与えてしまい、これを決められてサヘル先制。激萎え。

これでサヘルは引き気味になり、試合は硬直。浦和は左の相馬がマークされているのか、右の細貝に出すことが多いが、あまりやってないポジションのせいか、連携の悪さからボールを失うことが多かった。と思っていたら、浦和にポジションチェンジがあり、この日トップ下に入っていた山田が右サイド、長谷部がトップ下、細貝がボランチになる。これで右サイドでボールをキープできるようになり、細貝も本職のボランチで奮闘し、浦和がペースを握る。前半35分、サヘルがクリアミスしたボールを相馬が奪って、絶妙なクロス。それをワシントンが決めて、浦和が同点に追いつく。これでつまらないミスが帳消しになったと、ほっとした。

後半になっても浦和のペースで、後半25分、セットプレーからワシントンが追加点を挙げて、これで浦和の勝ちかなと思った直後の後半30分、またもや都築の緩慢なプレーからボールを奪われて失点、2-2になってしまう。これでまた萎える。この後はサヘルも攻めに出てきたが、両者得点は入らず、PK戦に。浦和が全員決めて、サヘルが2人ミスしたので、浦和の勝ちになった。

なんなんでしょう、この自作自演の勝利は。選手個々のパフォーマンスは良かったけど、ミスで2失点は色々と台無しだ。3位という結果については、非常に良かったと思う。まあ、本当にアジアがアフリカより強いのかとか、本命だった北中米のチャンピオンのパチューカが出てきてたら勝てたのかとか、思うところがないわけではないけど、1位とか無茶なことを言っているわけではないので、素直に喜んでおきましょう。

次は決勝戦。結果は4-2でACミランの勝ちだった。大会MVPはカカになった。

これは面白い試合になった。序盤から両者とも激しく攻め合い、運動量豊富にお互いの中盤にプレッシャーを掛け合う展開で、浦和×ミラン戦と違って、力量が噛み合っていた方が、やっぱりサッカーとしては面白くなるなと思った。結果は4-2だったが、それほどミランの方が強いという感じでもなかった。特に前半は全く互角の戦い。ボカは個人技もあり、パスワークも良く、最終ラインの守備も固く、文句なくハイレベルなチームだった。差があるとすれば、やっぱりカカの存在(そしてリケルメの不在)、あと、後半ミランがリードしてからの試合運びのうまさ。後半早々のセットプレーでの失点がなければ、ここまで差がつかなかったと思う。まあ、しかし、トータルではミランのこの大会へかける想いが上回ったかなという気はする。

この大会を総括すると、ピッチの中では、とにかくカカが凄いということに尽きる。ミランは浦和戦とボカ戦で合計5得点したわけだけど、そのうちカカが1得点3アシスト。アシストと言ってもマスコミ用語ではなく、全てカカのラストパスをダイレクトでシュートしての得点だ。他の1点がボカ戦でのセットプレーの得点なので、流れの中からは全てカカが絡んで得点したことになる。カカは今年バロンドール、FIFA最優秀選手賞を大差で受賞し、現在世界最高の選手と言われているわけだが、ミランが大会1週間前から日本入りしたこともあり、このCWCでもその能力の高さをまざまざと見せつける結果になった。僕は10年くらいトヨタ杯を見てきたけど、世界最高の選手がこれだけのトップフォームの状態で活躍したというのは記憶にないし、その選手と浦和が戦ったというのも、まさに記憶にも記録にも残る事実として、大袈裟じゃなくて後世まで語り継がれることだと思う。

ピッチ外について言えば、ミランが本気で勝ちに来たことで、大会の価値がかなり上がったのではないだろうか。レギュレーションは改善の余地があると思うが、前のCWCみたいに変なことになって折角上昇した大会の価値が下がらないようにしてほしいものだ。

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