2007-07-19

恩田陸/ネバーランド

ネバーランド
恩田 陸
集英社
2003-05
文庫

TBSでドラマ化もされたことがあるという青春小説。もちろんドラマは見たことがない。舞台は進学校の男子校。年末にそれぞれの事情から学生寮に残ることになった4人の話。退屈凌ぎにカードゲームを始めるのだが、負けた者が自分の秘密を告白しなければならないという罰があり、次々と家族にまつわるトラウマを告白していく。そのことで4人の関係が変化していって、最終的には皆なかよくなって終わり。そんな感じのストーリー。

こういうこと言うと怒られそうだけど、これはなかなか腐女子マインドが炸裂しているような気が……。実際、男子4人が集まってもこうはならないだろうし、男子の悩みのポイントが微妙にズレているような気がする。高校生ともなると、もうちょっと自分の将来や生活のことを考えるのではないだろうか。家族の問題があったとしても、そこで自分がどう生きていくかという考えが根底にあるような気がする。そういうところで屈託がないところがアンバランスになっていると思う。

それと、男子は、人生のどこかで最終的には自分一人で(もしくは、自分の家族という単位で)生きていかなければならないということを悟ると思う。だから、友人に対する感覚が女性とは少し違う。仲良くはなるけど、いずれ自立して別れざるをえないということも感じている。だから、ちょっと冷めてもいる。そういう感じがないね。女の子でワイワイ言っているのが、性別男になっただけというか。これ、女の子でやればよかったんじゃないかなあ。男子でやっているから、なんか浅いところで止まっているんじゃないだろうか。

恩田陸合わないかもなあ、俺。どうも、ノスタルジーというか、リアリティの感覚が食い違っている。懐しいなあ、とか、そんなこともあったなあとか全然思わないんだよね。しばらく、恩田陸は回避だな。

0 件のコメント: