作者の田中ロミオは『CROSS†CHANNEL』などのアダルトゲームの有名なライターらしいのだが、僕はエロゲはやらない(環境がないのでできない)人なので、彼の文章は読んだことはなかったのだが、これは面白かった。久々の当たりだったかもしれない。
まずこの独特の終末観がいいね。90年代のノストラダムス的というか、エヴァ的な破滅的な終わり方ではなく、無気力に衰退していくというのがネガティヴでもなく語られるというのが、2000年代以降の終末のリアリティなのかもしれない。
この小説のメインの魅力は新しく地球の盟主となった妖精さんと旧人類の女の子との会話にあるわけだけど、引用しても伝わらなさそうなので、各自想像してくれ。面白いよ。
あと小説の後半、主人公の意図しない誘導によって、妖精さんたちがペーパークラフトで生命の進化の歴史を辿り直すという話になるのだが、これもなかなか馬鹿馬鹿しくてよい。霊長類が誕生したときは読む方もドキッとしたのだが、これは妖精さんの方があっさり駆逐されてしまう。微笑ましい。
ラノベは他の業界に比べても最近ワンパターンな作品が多いような気がするので、こういう作品がもっと増えると良いんじゃないでしょうか。
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