2007-06-15

米澤穂信/身内に不幸がありまして

小説新潮に掲載された短編。米澤穂信本人曰く、横溝正史風らしい。横溝読んだことないが、昭和初期の耽美な作風。大きなお屋敷のお嬢様に仕えるメイドが主人公。ある年を境にお嬢様が夏休みに帰省する度に家の人間が何者かに殺されるようになった。犯人は一体誰なのか。行方不明になったお嬢様の兄上なのか、夢遊病のように自分が殺してしまったのか、最後にはメイド自身も殺されてしまう、さて犯人は? と言っても一人しかいないわけだが。

この作品のミソは、『Do you love me?』と同じく、こんな酷い動機で人を殺しちゃうか!?というところ。米澤穂信って、こういうミステリー世界の非人間的なところをうまく使うよね。しかし、こんな作品を書いていると、単行本化されるのは、随分先になりそうだな。

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