日本最強の剣士・錆白兵との戦いが描かれるかと思いきや、前編に渡って主人公鑢七花の姉の七実と真庭忍軍の戦いの話。錆白兵との戦いは、事後の感想戦という感じで数ページの短さまで端折られる。まあ、これまでと比べると西尾維新らしいと言えばらしい。こう言っては何だが、西尾維新は手を抜けば抜くほど、要するに語るのを放棄すればするほど作品は面白くなるのではないかという気もする。この刀語よりも化物語の方が評判いいしね。
西尾維新は、物語に対してナチュラルにシニカルなところがある。本人はまともに物語を書いているつもりかもしれないが、読む方は良くも悪くもちゃんとした物語になっているのかと訝ってしまって、必要以上に深読みしてしまうか、肩透かしじゃないかと文句をつけたくなる。この4巻なんかはそういう意味で、わかりやすく西尾維新らしい話。しかし、我ながら、これって褒めているんだろうか。まあ、褒めてないな。読む方もシニカルだからな。
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