新宿シネマスクエアとうきゅうで土曜日の12:45からの回を観てきた。公開4週目に入ったということであまり混雑はしてなかった。この『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:序』は、TV版の6話までのストーリーを踏襲しているということで、一応復習として6話までを観て臨んだ。そのTV版と新劇場版の細かい差は、
あたりを見てもらうとして、個人的に気がついたことや感想をいくつか。
前述の通り、ストーリーは1〜6話をなぞっているわけだが、コンテレベルや台詞も同じで、サキエルを迎え撃つ海のシーンから始まり、「笑えばいいと思うよ」まで綺麗に再現されている。ガンダム劇場版と同じで、今見ると名台詞オンパレードみたいな感じ。初見に人でも十分楽しめるでしょう。次の『破』からは怪しくなると思うが。
サキエル戦、シャムシエル戦までは作画グレードアップ版という感じなのだが、散々言われているが、ラミエル戦は凄かった。変形するというのもインパクトがあるのだが、攻撃がパワーアップしすぎ。特に印象的だったのが、最初に初号機がラミエルにやられるところ。TV版では初号機がカタパルトから出たところをラミエルにレーザー攻撃されて慌てて戻すという何とも間抜けなシーンなのだが、新劇場版では、最初のラミエルの攻撃を地面から出た盾で防ぐものの、ラミエルがさらに強いビームを撃ちなおし、盾が崩壊、カタパルトも融解して、どうにもならなくなった初号機は、一帯の区画ごと地下に落として回避するという展開になった。ラミエル、こいつやべえええええって感じ。これで一気にラミエル戦が引き締まったね。
他には、建築物、土木作業機械へのこだわりが凄かった。あれだけでも新劇場版を見る価値はあるよ。変形する第三新東京市というのはTV版からあったが、ディテイルが凄い。また、終盤のヤシマ作戦で変電施設が二子山に集められるのだが、これも巨大さが強調されていて良い。
と、作画面に関しては本当に申し分のない出来だったのだが、話は6話までをなぞっただけということもあり、今回の新劇場版での庵野監督の意図は見えない。ヤシマ作戦までは、シンジ君のビルドゥングスロマンとして成功しているので、シンジ君と庵野監督の挫折で終わった旧劇場版の結末がどう覆されるのかは予想ができない。しかし、旧劇場版は我々に衝撃を与えると同時に90年代末期のオタク文化を根底から規定してもいたわけで、新劇場版が単純なハッピーエンドだった場合(例えば、シンジ君がアスカと結ばれてゲンドウと和解したりした場合)に、逆に、我々(と複数形にしてはいけないかな?)は、それを受けとめられるのだろうか。トップ2やグレンラガンの最近の展開に乗りきれていない僕としてはちょっと不安がある。セカイ系を乗り越えるとして、その先がベタ回帰でいいのかと。庵野監督は誠実な人だと思うので、安易な結末にはしないと信じているが……。
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