2008-01-10

奈須きのこ/DDD 1巻

DDD 1
奈須 きのこ
講談社
2007-01-10
単行本

ゲームも含めて、きのこ先生の作品は初。前にも書いたかもしれないけど、どうもノベルゲームというのが苦手で、『月姫』も『Fate/stay night』もやってないし、アニメも見ていない。

で、初きのこの感想はというと、面白い。文体について読みづらいとか色々言われているけど、あまり気にならなかった。『空の境界』より読みやすいらしいけど。なんかラノベもそうだけど、エンターテインメイト界では一人称というだけで、特別な見方をされたりするのはなんでなんだろう。純文学じゃ一人称がデフォだと思うのだが。

しかし、構成については面倒臭かった。時系列がぐちゃぐちゃだし、叙述トリックが多用されるので、何が何やらという感じだ。最後の年表がなければ話がよくわからなかったと思う。頭が痛くなるのも面白さと言えば、面白さなのだが。

それと、主人公の石杖在処のからっとした性格が良いと思う。夜のことは覚えているが、昼間のことは忘れてしまうという記憶障害(しかし、また記憶障害である)があるのだが、それを本人を全く気にしていない。物語自体は少年漫画的になりそうなんだけど、そんな軽い石杖在処の視点で描かれると、独特の雰囲気が出る。そういうところは普通に小説として面白い。

この作品について一部で精神病について差別的な記述があるのではないかと言われているが、僕もそれはあると思うね。まあ、往々にしてエンターテインメントというのはそういうものではあるけど。萌えアニメの大半は女性差別的だしね。

これは続編も読む。購入するのでちょっと高いんだけど。

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