2007-12-06

J1・J2入れ替え戦 第1戦 京都×広島

入れ替え戦は、Jリーグ公式戦の中である意味一番面白い試合と言える。ナビスコ杯や天皇杯決勝なども面白い試合に違いないが、入れ替え戦の緊張感はまた別である。カップ戦の勝者にはチャンピオンとしての名誉が与えられるが、敗者にもまた準優勝というそれなりの名誉が与えられる。ところが、入れ替え戦の敗者は、最低1年の長いJ2生活というこれ以上ない罰が与えられてしまう。勝てば天国負ければ地獄とはこのことで、J1からJ2へ転落すれば、有力選手の大半は死体に群がるハイエナのような他のチームに引き抜かれ、スタジアムの集客は激減し、スポンサーも離れ、チームは解体寸前まで追い込まれる。無論、J2から入れ替え戦に望むチームにとっても、J2の50試合以上の長丁場を戦って得られたのが、この2試合を戦う権利である。まさにチームの全てを賭けた戦いになるわけだ。

と、まあ、少し大袈裟に語ってみたが、当事者やサポーターの人々の胸中は察するに余りある。僕はとてもじゃないがそんなプレッシャーに耐えられそうにはない。他人事として無責任にテレビ観戦するに限るということで、試合の話。

立ち上がりは、広島の攻勢。京都は中盤をコンパクトにしてスペースを潰しているが、広島はDFも技術のある選手を揃えているので、ロングボールであっさりとDFの裏を取れたりする。また、京都のプレスに対しても、ひらりひらりと躱せているのだが、どうもチャンスの数自体は少ない。

そんなことをやっているうちに、京都は試合に慣れてくると、右サイドを中心に反撃に出る。京都の渡邉が再三広島の服部の背後のスペースをつき、とうとう前半28分、ゴール前に決定的なクロスを上げて、広島GK下田がたまらずボールを弾いたところを、京都の「ビッグマウス」田原がヘディングで押し込んで先制。さらに、10分後の前半39分、CKのこぼれ球をまたも渡邉が軽く上げて、またも田原が強引に押し込んで2-0。京都からすれば最良、広島からすれば最悪の形で前半を終える。

広島は簡単に攻略されちゃったな。3バックのサイドのスペース、そして、高さのないDFとフォーメーションの時点で明確な弱点があるのは誰の目にも明らかなわけだが、そのまま試合で露呈しちゃうのはどうよ。特に、人数は足りているのに、完全にボールウォッチャーになって、田原にやられてしまった2点目がいただけなかった。さすが、J1最多失点というところか。

後半に入って、広島がDFの森崎和幸を高さのある盛田剛平に変え、左サイドの服部を下げて駒野を左サイドに回すと、なんとか広島もボールが持てるようになってくる。とは言っても、広島が攻め倦ねてボールを失なって、京都に逆襲するという形で、決定的なチャンス自体は京都の方が多かった。そして、この日ほとんどボールに絡めなかったエース、ウェズレイを下げて、若い平繁投入すると、ようやく広島の攻撃が機能しはじめ、後半43分、佐藤のシュートをその平繁が決めて、待望のアウェーゴールとなる得点を奪った。試合はこのまま終了。

うーん、いかんね、広島。上の方で緊張感うんぬんと書いたけど、リーグ戦の延長で戦っている感じ。守備陣のマークがちゃんとしていないのと、ボールウォッチャー癖、ウェズレイの大ブレーキで組み立てられない攻撃陣。普段J1を見ているから、つい広島に肩入れしてしまうのだけど、このままだとやばいな。とりあえず、思い切ってウェズレイを外してみてはどうか。大胆にいじくらないと、リーグ戦終盤の悪い流れを断ち切れない気がする。

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