2007-12-15

クラブW杯 準決勝 浦和×ACミラン

結果は、0-1でACミランの勝ち。ACミランの得点者は、セードルフ。

この試合の重要性、歴史的意義などは、僕が触れるまでもなく、散々色々なところで語られているので、私見を中心に。

うーん、何と言ったらいいか、正直試合自体はつまらなかった。次元は違うものの、カカ頼みのサッカーvsポンテ頼みのサッカーwithoutポンテということで、カカがボールを持ったときくらいしか盛り上がらない。浦和の組織的な守備や、ACミランの選手の基礎技術の高さを見るような玄人視点じゃないと楽しめない試合でしょう。普段サッカーを見ない一般人の方々がこの試合をどう思ったのかがちょっと気になる。

試合の中身については、あまりに単調だったので書くことがないのだが、前半は、浦和が引いて守り、ミランが様子見のポゼッションサッカーに終始する。ミランのファールのもらい方がセコい。また、足への危険なタックルも何度かあり、省エネで勝つ気マンマンという感じであまり心証は良くない。

後半は、前半の展開に業を煮やしたミランが攻勢に出るが、浦和はこれを何とか防ぎ切り、反撃に出る。阿部のシュートや永井のクロスなど少し良い攻撃があったけど、どうもこれはカウンターを狙うミランの罠だったような気がしないでもない。そして、その直後の後半23分、素早いリスタートからカカがドリブル突破してクロス、セードルフが決めて、これが決勝点。この後は、怪我の闘莉王の代わりに入った山田(久し振りの出場だ)あたりを中心に浦和も何度かチャンスを作るが、そのままミランに逃げ切られてしまった。

浦和の守備は十分ミラン相手にも通用したと言っていいと思う。ジラルディーノにほとんど仕事をさせず、インザーギを引き出したわけだし、失点した場面などカカがボールを持ったとき以外、大きく崩されたということはなかった。アンブロジーニからセードルフのシュートで一度危ない場面はあったが、浦和のミスというよりは、あのレベルのプレーをされると防ぎようがないという感じ。

しかし、やっぱりカカは別次元だった。日本最高のレッズDF陣が2人行って、2人とも躱されるのを見ると、もうどうしようもないじゃん!と絶望的な気分になる。欧州のスーパープレーはテレビでよく見るけど、身近な浦和がこうも子供扱いされるのを見ると流石にショックとしか言いようがない。ああいう異次元のプレーを見ると、戦術を語ったりすることが馬鹿らしくなるので、記憶から消し去りたい気分だ。

この試合について、メディアやネットの反応を見ると、浦和とミランでは1点以上の大きな差があり、浦和完敗という論調が多いが、僕はそんなに悲観的な見方をしていない。もちろん、浦和とミランでは選手個人の能力や戦術面でかなりの実力差があるのは事実だろう。しかし、浦和はJでもACLでもああやってグダグダな試合ばかりやっているではないか。これが、中盤の構成力が売りのガンバや、カウンターからの攻撃力が売りの川崎なら、何もできず完敗と言ってもいいかもしれないが、あんな劣勢ならACLで浦和は何度も経験してきたはずだ。確かに点を取れそうな雰囲気はまるでなかった。しかし、JでもACLでも点が取れそうもないのに、ポンテやワシントンがあっさり点を取って勝つのが浦和サッカーじゃないか。もし、カカがミランではなく浦和にいたら、浦和が勝つというのも十分有り得る話だ。まあ、カカが浦和にいることが有り得ないけど。

確かにミランは強かった。当たり前だ。現欧州チャンピオンであり、過去7回も欧州チャンピオンになり、欧州三大リーグのセリエAを17回優勝したことのある名門なのだ。選手の年俸もクラブ予算規模も浦和とは全然違う。しかし、ピッチ上でそれほどの差があったかというと、僕はなかったと思った。むしろ、浦和がミランに勝てる可能性があったとも思った。何も悲観することはない。Jリーグ全体のしっかりとした底上げができれば、近い将来、日本のチームが欧州チャンピオンに対してアップセットする日も来るだろうと思わせる浦和の善戦だと思った。

ただ、当分、いや、今後、日本からカカのような選手が現れることはないということも痛感してしまったわけだけど……。

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