2007-09-30

2007年秋新番

MOON PHASE 雑記 - 2007-09-09

ニコニコ動画(RC)‐2007年度秋の新アニメ紹介

いや、冴えないっすね、秋新番。この中で、本気で期待しているのはガンダム00だけかな。なんか事前に公開された設定などでは激しくネタ臭が漂っているけど。まあ、水島監督と黒田脚本を信じてます。

秋新番の全体的な傾向としてはこんな感じだと思う。

  • 去年に比べると本数が10本以上減少している。
  • オリジナルものが少ない。ちゃんとしたアニメオリジナルってガンダム00とドラゴノーツだけ?
  • エロゲ、ギャルゲ原作、萌えアニメが多い。

やっぱり、この秋からはっきりとアニメ界は停滞期に入ったのではないだろうか。前にも言ったように、今の異常な本数のアニメは、DVDの売り上げを前提とした所謂製作委員会方式に支えられている。しかし、現在、DVDは売れるのと売れないので格差がどんどん広がってきている。前期で言えば、らきすた、なのは、グレンラガンあたりは2万枚近く売れたが、アイドルマスターゼノグラシアなんかは、2000〜3000 枚くらいしか売れてないし、大半の無名アニメはそれ以下だ。原作アリで相乗効果が期待できるならまだしも、オリジナルアニメでは目も当てられない。これでは、どんどん保守的な方向に傾かざるをえないだろう。新しいブレイクスルーを期待したい。

他の話題作は、京アニの鍵シリーズのCLANNAD。今回は、BS-iじゃなくてTBSでやります。でも、エロゲ原作(厳密にはCLANNADは18禁じゃないのでエロゲじゃないけど)は、もうお腹いっぱい。最終回見てないけど、School Daysでうんざりしたからね。シャフト好きとしては、efあたりも気にしているけど、これも前情報の段階ではあまり期待できない。

カイジ、ネウロあたりは原作既読だが、どんなアニメになるのか、ちょっと楽しみにしている。カイジはアカギと同じスタッフなので大丈夫だと思うが、ネウロはやや心配。

問題作になりそうなのは、こどものじかんかな。もえたんくらいで留まってくれればよいが、こっちはガチで小学生だからなあ。変に目をつけられないといいが。

シャナ2、げんしけん2は前作で脱落しているので切り。バンブーブレードは倉田脚本が悪い方に出なれば見るかも。

あと、スケッチブックはひだまりスケッチのパクリ。

2007-09-29

Yahoo! ファンタジーサッカー 第27節 編成

位置選手チーム年俸
合計6億3160万
GK榎本 哲也横浜FM6380万
DF中澤 佑二横浜FM9120万
DF田中 マルクス闘莉王浦和8480万
DF加賀 健一磐田1430万
DF小宮山 尊信横浜FM3660万
MF橋本 英郎G大阪5420万
MF遠藤 保仁G大阪8040万
MF田中 隼磨(C)横浜FM8350万
MF山瀬 功治横浜FM5370万
MF水野 晃樹千葉3630万
FW前田 遼一磐田3280万

寝坊してしまって、慌てて編成したので、ちょっと不安の残る編成になってしまった。小宮山、加賀、闘莉王あたりは出ないかもしれないということで、戦々恐々している。水野もちょっと惰性で選んでしまった感じ。思い返すと、FC東京×千葉の試合は、FC東京が内容も結果も圧勝したのだった。ちょっとまずいかもしれない。

横浜FMが5人で最多。相手が横浜FCということを考えると、もっと磐田の選手を入れるべきかもしれないが、どうも磐田は信用できないというのと、ボーナスも少ないので、あまりおいしくない。

キャプテンはずっと続いていた遠藤から田中隼磨に変えた。闘莉王にしようかと思ったのだが、前述の通りACLとの兼ね合いでターンオーバーになるかもしれないのでやめた。

そろそろ100fp越えの爆発が欲しいなあ。

2007-09-28

菜の9月の限定つけめん 秋野菜と秋刀魚節風味のつけめん 秋茸と秋刀魚のわたのピュレ添え

月一のささやかな贅沢、菜の限定つけめんです。先月はスープも面も具も全部緑野菜という、とんだネタ料理を食べさせられましたが、今月は一転して無難な感じ。豚骨と秋刀魚のスープに、焙ったネギ、ナス、チャーシュー、トッピングは苦みのある秋刀魚のわたのピュレと紅葉おろし。味は想定内って感じっすね。先月がしんどかったのでこんな感じも良いですが。

2007-09-27

Yahoo! ファンタジーサッカー 第26節 結果

位置選手チームボーナスfp
合計17fp83fp
GK下川 誠吾大分1fp9fp
DF市川 大祐清水1fp3fp
DF田中 マルクス闘莉王浦和3fp12fp
DF深谷 友基大分1fp10fp
DF水本 裕貴千葉3fp12fp
MF遠藤 保仁(C)G大阪2fp5fp
MF水野 晃樹千葉1fp7fp
MF本田 圭佑名古屋-3fp-2fp
FWウェズレイ広島1fp4fp
FWバレーG大阪1fp8fp
FW高橋 大輔大分4fp10fp

本田ありえない。名古屋が神戸に5-0で負けるのもありえないし、本田のオウンゴールもありえない。もうね、オウンゴールのマイナスとかやめようよ。戦略性も何もないよ。

次節のキャプテンは闘莉王にしようかな。なんだがガンバが大分に勝てる気がしない。

2007-09-26

School Days最終回上映会でちょっとした騒動

http://blog.livedoor.jp/dqnplus/archives/1035429.html

例の斧事件のせいで、地上波では放送中止になってしまったSchool Days最終回だが、原作ゲームの発売元のオーバーフローが最終回の上映会を開くことになった。

ここまでは別に良いのだが、この上映会に参加できる条件が未開封のSchool Daysのゲーム(値段は9975 円)を持参することという阿漕なものだった。School Daysのゲームは2年も前に発売されたもので、熱心なファンであれば、ゲームなんてもう既に持っている。観たければ、もう一個買うしかないのだ。

というわけで、発表後から2chでは大ブーイング。おそらく抗議も殺到したのだろう。結局、今日の18時過ぎに開封済でもよくなった。騒ぎが大きくなる前に対応したから良かったものの、危うくオーバーフローの評判を地に落とすところだった。

最近は、こういうちょっとしたことが、大きな流れを作ってしまうことがあるので、注意してほしいところだ。肛門事件のグレンラガンは無事収束したが、こんな馬鹿馬鹿しいことでアニメの評価まで下がってしまうのはもったいない。

2007-09-25

変愚蛮怒 すばしっこいハイエルフレンジャー (その1)

このページに来る人の検索語を見ると、変愚蛮怒関連が結構あるので、一回くらいは攻略をやっておこうと思う。

変愚蛮怒は、3〜4年くらい前は開発も活発で、僕もよくプレーしていたのだが、今は開発も止まり、すっかり落ち着いた状態になっている。とは言っても、ゲームバランス的には変愚蛮怒はローグライクの中でも最も完成されると言っても過言ではない。慣れると序盤はかったるいが、終盤につれて難易度が上がっていき、ラスボスは完全な準備をしても1ミスで殺される最強の敵「混沌のサーペント」。倒したときの達成感は格別だ。

問題は、このゲーム、めちゃくちゃ時間がかかるということだ。普通にプレーすると、クリアまで30〜50時間くらいかかる。もちろん、初心者の状態からクリアできるようになるまでという意味でない。慣れた人間がLv1からスタートしてサーペントを倒すまでに30時間くらいかかるゲームなのだ。まあ、一気にクリアしようとせずに、少しずつちまちまやるといいだろう。

まずは、おすすめサイト。

@の溜まり場II
Dungeon Crawlのときにも紹介したが、NetHack以外のローグライク板。
変愚蛮怒のスポイラー
変愚蛮怒はとにかく種族、職業、魔法などが豊富なのでここで一通り確認しておこう。
変愚蛮怒に関するメモ
マニアックな考察が多い。特に「ゲーム進行に関するメモ」は、このゲームの本質が書かれている。それだけにスポイル度もかなり高いが。

Dungeon Crawlのときは最強職業について色々書いたけど、変愚蛮怒はあまりにパターンが多すぎてあれこれ考察する気になれない……。しかし、ここで一つの格言を紹介しよう。

「変愚蛮怒はレンジャーに始まりレンジャーに終わる」

いや、もちろんそんな格言はないんだけど、レンジャーはかなり強い職業だし、手広く色々な技能が使えるので変愚蛮怒の様々な要素を楽しむことができる。初心者も上級者も楽しむことができる職業、それがレンジャー。というわけで、ここでもレンジャーで攻略することにする。第2領域の魔法を選べるが、今回は無難に仙術を選ぶことにする。まあ、第1領域の自然だけでも十分強かったりする。

次にレンジャーに合う種族だが、まずレンジャーは魔法に知能を使うから知能が高い種族が有利。また種族の能力修正はそのまま最大MPにも関係する。これは後で「知能の薬」などを使って知能を最大値まで上げたとしても最大MPに差が出る。分かりにくいけど、要するに種族によって最大MPはある程度差が出るということだ。そんなに気にしなくてもいいが、修正値がマイナスの種族などは避けた方がいい。

またレンジャーは所謂デュアル系の職業なので、腕力、器用も高い方がいい。もちろん耐久は全職業で重要だ。それとレンジャーはレベルにより射撃回数が増加するので、射撃が強い。種族でも射撃修正があると嬉しい。というわけで、これらの能力を兼ね備えたハイエルフが無難だろう。また、初心者には耐性が有利なドラコニアンや吸血鬼もおすすめ。

性格は種族ほど重要ではない。修正が小さいので、組み合わせの長所をさらに伸ばすか、短所を補強するかどちらでもよい。とは言っても、セクシーギャルとなまけものは初心者にはおすすめできないが。今回は長所をより伸ばす方向で「すばしっこい」を選んでみる。

というわけで、キャラの組み合わせは「すばしっこいハイエルフレンジャー」に決まった。次にオートローラーで能力値を決める。序盤はあまり魔法を使わないので、腕力、器用、耐久あたりを最高値にしておく。あとHPもあまり低くならないように。後でライフレートを変更できるのでそれほど神経質になる必要はないが、HP20でスタートするのとHP40でスタートするのでは序盤の死にやすさが全然違う。

で、生まれたキャラクター。

Yuu_01.txt

それと、プレーを始めたら、いくつかのオプションをいじっておこう。「常にプレイヤーを中心に置く」「トラップ感知済みでない場所を表示する」あたりはプレーの難易度にも関係してくるので必ずONにしよう。

あとAngbandで重要な自動拾い設定だが、ややこしいのでここでは紹介しない。@の溜まり場あたりで設定済みのものを拾ってきて、自分流にカスタマイズするのがいいでしょう。

キャラができてプレーする準備ができたところで、今回はここまで。ちなみに、この記事を書く前にちょっとプレーしてみたんだけど、最後にやったのが2年くらい前だからプレー感覚が全然なくて30階くらいで死ぬ……。多分クリアできないと思うけど、せめてレベル40くらいまでは頑張りたいです。

2007-09-24

Jリーグ 第26節 横浜FM×浦和 FC東京×清水

結果は、横浜FM×浦和は0-1で浦和の勝ち、FC東京×清水は2-0でFC東京の勝ちだった。

横浜FM×浦和は用事があって全部観れてないし、FC東京×清水は流して見たので、どちらの試合もちゃんと観れてないのだが、大雑把に感想を。

横浜FMと浦和は、僕が観た感じでは試合は横浜FMの方が優勢だった。山瀬が出場停止だったが、代わりにマルケスが縦横無尽に動いてゲームを作る。前節ガンバを下しただけあって、プレスの速さ、動きの連動性で横浜FMの方が浦和を上回っていたが、結局勝ったのは浦和。得点は運の要素があったとは言え、グダグダの内容できっちり守り切る浦和DFの個人能力は凄い。なぜか毎年、DFやボランチの補強ばかりする浦和。去年の阿部に続いて、今年はU-22代表の本田拓也を狙っていたが(結局清水に逃げられたが)、この浦和のあまりに現実的な補強策はどうも好きになれない。あんな力で捻じ伏せるようなサッカーではたとえクラブW杯に出場できたとしても、逆に個人能力でやられるのが目に見えている。それを崩せない他のチームにも問題はあるのだが。

FC東京×清水もちょっと変な試合で、FC東京が3連勝、清水が6連勝で4連続完封中という絶好調同士の戦いになったのだが、試合を支配したのは、やはりより調子の良い清水の方。しかし、FC東京がオウンゴールから赤嶺が立て続けに点を取り、FC東京が強引に流れを引き寄せてしまう。で、そのままFC東京の逃げ切り。どうも、僕が清水の試合を観ると、こんな感じが多いな。連勝を重ねたようだが、なんか全然強くなった気がしないなあ。巡り合わせの問題だろうが。

26節全体では、あー、もう今季のJリーグは終了だね。浦和の優勝。降格は、横浜FC、大宮、甲府で決定。なんか、想像していたうちの最もつまらないシナリオになりつつあるな。とにかく夢がないね。あまりにリアリズムが支配しすぎている。ここで甲府が破竹の連勝をしたりすれば面白くなるのだが。

2007-09-23

ヱヴァンゲリヲン新劇場版:序 観てきた

新宿シネマスクエアとうきゅうで土曜日の12:45からの回を観てきた。公開4週目に入ったということであまり混雑はしてなかった。この『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:序』は、TV版の6話までのストーリーを踏襲しているということで、一応復習として6話までを観て臨んだ。そのTV版と新劇場版の細かい差は、

ヱヴァンゲリヲン新劇場版検証スレまとめwiki

あたりを見てもらうとして、個人的に気がついたことや感想をいくつか。

前述の通り、ストーリーは1〜6話をなぞっているわけだが、コンテレベルや台詞も同じで、サキエルを迎え撃つ海のシーンから始まり、「笑えばいいと思うよ」まで綺麗に再現されている。ガンダム劇場版と同じで、今見ると名台詞オンパレードみたいな感じ。初見に人でも十分楽しめるでしょう。次の『破』からは怪しくなると思うが。

サキエル戦、シャムシエル戦までは作画グレードアップ版という感じなのだが、散々言われているが、ラミエル戦は凄かった。変形するというのもインパクトがあるのだが、攻撃がパワーアップしすぎ。特に印象的だったのが、最初に初号機がラミエルにやられるところ。TV版では初号機がカタパルトから出たところをラミエルにレーザー攻撃されて慌てて戻すという何とも間抜けなシーンなのだが、新劇場版では、最初のラミエルの攻撃を地面から出た盾で防ぐものの、ラミエルがさらに強いビームを撃ちなおし、盾が崩壊、カタパルトも融解して、どうにもならなくなった初号機は、一帯の区画ごと地下に落として回避するという展開になった。ラミエル、こいつやべえええええって感じ。これで一気にラミエル戦が引き締まったね。

他には、建築物、土木作業機械へのこだわりが凄かった。あれだけでも新劇場版を見る価値はあるよ。変形する第三新東京市というのはTV版からあったが、ディテイルが凄い。また、終盤のヤシマ作戦で変電施設が二子山に集められるのだが、これも巨大さが強調されていて良い。

と、作画面に関しては本当に申し分のない出来だったのだが、話は6話までをなぞっただけということもあり、今回の新劇場版での庵野監督の意図は見えない。ヤシマ作戦までは、シンジ君のビルドゥングスロマンとして成功しているので、シンジ君と庵野監督の挫折で終わった旧劇場版の結末がどう覆されるのかは予想ができない。しかし、旧劇場版は我々に衝撃を与えると同時に90年代末期のオタク文化を根底から規定してもいたわけで、新劇場版が単純なハッピーエンドだった場合(例えば、シンジ君がアスカと結ばれてゲンドウと和解したりした場合)に、逆に、我々(と複数形にしてはいけないかな?)は、それを受けとめられるのだろうか。トップ2やグレンラガンの最近の展開に乗りきれていない僕としてはちょっと不安がある。セカイ系を乗り越えるとして、その先がベタ回帰でいいのかと。庵野監督は誠実な人だと思うので、安易な結末にはしないと信じているが……。

2007-09-22

Yahoo! ファンタジーサッカー 第26節 編成

位置選手チーム年俸
合計5億9030万
GK下川 誠吾大分2020万
DF市川 大祐清水9060万
DF田中 マルクス闘莉王浦和7710万
DF深谷 友基大分4900万
DF水本 裕貴千葉2650万
MF遠藤 保仁(C)G大阪8460万
MF水野 晃樹千葉3360万
MF本田 圭佑名古屋5750万
FWウェズレイ広島6880万
FWバレーG大阪5790万
FW高橋 大輔大分2450万

申し訳ない。研究室のランキングそのままになってしまった。ちょっと用事があって(友人たちとヱヴァンゲリヲン 新劇場版:序を観に行っていたのだ)、時間がなかったので、こうなってしまった。次からは気をつけない。

とは言っても、もちろん何も考えなかったわけではない。水野きゅんと市川は前節見事当てたわけだし、大分の高橋大輔はチーム得点王でちゃんと注目していたのだ。大分と千葉DFは相手を考えれば選ぶでしょ!

と、言い訳をしましたが、次はちゃんとします。すみません。

2007-09-21

米澤穂信/インシテミル

(容赦なくネタバレします。注意してください)

インシテミル
米澤 穂信
文藝春秋
2007-08
単行本

この小説はメタミステリーなところがあって、あまり良いミステリー読みとは言えない僕としては、ちゃんと作者の意図を理解できているのか自信がないのだが、とりあえず思ったことを素直に書いておくことにする。

米澤穂信は、今まで本格ミステリー作家でありながら、本格らしいガジェットやギミックを避け、「日常の謎」派として、青春小説とミステリーをミックスしたような作品を発表し続けているわけだが、今回の『インシテミル』ではベタベタなクローズド・サークル内の殺人ゲームをやるらしい。ちなみに『インシテミル』はThe Incite Millと英題がついていて、それと「淫してみる」をかけたものらしい。

ということで、早速買ってきて読んだのだが、まず、驚いたのが、1ページ目の<暗鬼館>見取り図。クローズド・サークルと言っても、山荘や孤島の洋館みたいな感じなのかと思ったら、幾何学的に17個の部屋が円形に配置されているという異様な建築物。本格というか新本格のノリだ。

ストーリーの概要はこうだ。まず、この暗鬼館に12人の人間が集められる。7日間をここで過ごすだけで2千万円の給与が出るのだが、さらに他人に見つからずに人を殺したら、それが2倍(殺した人数で倍々になる)になる。また、誰かが殺されたときに犯人を当てることができたら(つまり、探偵役になれば)、3倍になる。というわけで、この暗鬼館の中で殺人ゲームが行なわれるわけだが、そこは米澤穂信らしく素直にはいかない。この小説の中では6人が死ぬのだが、2人は自殺で、1人は事故、3人が殺されるのだが、そのうち1人は衆人の中で衝動的に殺される。残りの2人は犯行が一度で行なわれてしまうので、実は大袈裟な装置の割に殺人事件らしい事件は1回しか起きないのだ。

また、この殺人事件のトリックもあまり難しくはない。普通に読めば、大抵の人はわかると思う(細かいロジックはともかく)。暗鬼館に集められた12人にはそれぞれ別の武器が支給されるのだが、ということは、殺害方法と犯人は密接に結びつけられる。逆に言うと、ここにトリックの入り込む余地があるわけで、読んでいる途中でなんとなく犯人はわかってしまう。だから、コテコテのミステリーという割には、犯人当てにはあまり凝っていない。

で、これだけなら、ちょっと失敗したミステリーになってしまうのだが、この小説の面白いところは、終盤、主人公たちがこの殺人ゲームに対して論評を加えていくところだ。このゲームでは、探偵役の推理に対して多数決で犯人が決定され(真犯人でない場合には後で探偵役にペナルティがある)、犯人は監獄に放りこまれてしまう。で、終盤、この監獄に放り込まれた2人がミステリーマニアで、このゲームをミステリーとして見た場合にどうなのか、と話し合う。テーブルに置かれたインディアン人形はクリスティーの『そして誰もいなくなった』が元ネタだとか、部屋に鍵がかからないのは密室が作れないから駄目だとか。部屋に鍵がかからないところは中盤でのホラー要素のポイントだったので、こういう視点の変更は面白い。

しかし、このあと、主人公たちは監獄を抜け出してゲームの世界に戻っちゃうんだよね。そして、犯人を指摘して、いくつかシニカルなオチがあって、日常に戻っていくわけだけど、この流れはどう解釈すれば良いのだろう? とても(新)本格っぽいガジェットではじまったわりに、どんでん返しがあるわけでもなく、叙述トリックがるわけでもなく(見落してないよね?)、かと言って、メタミステリーも途中でやめちゃうし、正直中途半端な印象がある。ヒロインの須和名の存在も謎だ。ある種の傲慢さの象徴なんだろうけど、いまいち存在意義がよくわからない。よねぴーのリビドーをぶつけてみたのだろうか。そう言えば、須和名と関水って千反田えると伊原摩耶花に似てるよね。『身内に不幸がありまして』も名家のお嬢様が出てきてたなあ。

というわけで、まあ、面白かったけど、最後の中途半端感が残った作品だったかな。僕の考えているようなことなんて全て折り込み済みのはずの米澤穂信になぜこんなオチにしたのか聞いてみたい。全体的には、トリックよりロジックで、米澤穂信らしい、ヒネりが効いたところがたくさんある。しかし、なんか「淫してみる」ではないよね、この作品内容自体は。そういう派手さを期待すると肩透かしを食らうかも。

2007-09-20

すばらしきこのせかいクリア

すばらしきこのせかい
スクウェア・エニックス
2007-07-27
Video Game

『すばらしきこのせかい』を全レポートをコンプリートしてクリアした。通常エンディングまではそんなに時間はかからなかったのだが、そこからが長かった。このゲームは7日×3人+1で全22章あるのだが、この章ごとに2、3の条件(難易度ハードでボスを倒すなど)を満たすとシークレットレポートを読むことができて、これをコンプリートするとエンディングにムービーが追加されるのだ。これにバッジコンプリートやアイテムコンプリートもやりはじめるときりがない。やりこみ要素やボリュームを妙に気にする2ちゃんねらーあたりには嬉しい仕様だろう。僕はレポートコンプリートでやめておいたが。

2画面戦闘は慣れると、ある程度は自分で操作できるようになってくる。とは言っても、やはり完全に同時操作はできないが。アイテムが揃ってくると、上のキャラでもダメージを稼げるようになるので、戦術の幅はかなり広がる。なかなか奥深いシステムだね。

シナリオは、ちょっと凝り過ぎのような気がする。通常クリアするだけでは全然ストーリーが理解できないし、それを補完するために膨大なレポートを用意するというのはあまりよろしくない。生き残りをかけたゲームというと、バトルロワイヤルやデスノートを彷彿とさせるが、これらはベースのルール自体は単純だったはず。それに比べるとこのゲームはルールを複雑だし、謎が多すぎる。しかも強引な話が多い。まあ、スクエアらしいと言えばらしいのだが。

ストーリーと言えば、このゲームは、渋谷を舞台にして、おそらくマップは20〜30くらいしかないと思うが、この狭い空間でねっとりとストーリーを展開するというのは良いと思った。往年のドラクエ・FF式に諸国漫遊するのはもう無理だよね。潔く渋谷に舞台を絞ったのは正解だろう。

あと、難易度や自分のレベル(HPにしか作用しないが)を細かく変えられるのはとても良いと思う。難易度ごとに敵のドロップが変わり、自分のレベルを下げるとドロップ率が増加する。また、連戦をするとドロップ率が跳ね上がる。間口を広くしつつも、アイテム入手でうまく差別化できているのは秀逸なシステムだ。これからのRPGには全部難易度設定入れてほしいね。あと、任意のストーリーの地点に戻れるシステム。この点では、他のRPGは『すばらしきこのせかい』を見習ってほしいね。

Yahoo! ファンタジーサッカー 第25節 結果

位置選手チームボーナスfp
合計18fp83fp
GK塩田 仁史F東京1fp9fp
DF市川 大祐清水2fp12fp
DF茂庭 照幸F東京1fp10fp
DF田中 マルクス闘莉王浦和4fp7fp
DF千代反田 充新潟1fp4fp
MF遠藤 保仁(C)G大阪3fp5fp
MF今野 泰幸F東京0fp6fp
MFポンテ浦和0fp3fp
MF中村 憲剛川崎2fp6fp
MF水野 晃樹千葉1fp13fp
FWバレーG大阪0fp3fp

水野きゅんに救われた感じ。人気No.1のジュニーニョは結局7fp。うちのバレーは3fp。値段相応という感じだな。そろそろ遠藤Capは止め時かな。千代反田は失敗。ホームの新潟が柏に2点取られるとは。もうビッグスワンの神通力もなくなったかな。リーグ共通順位はずっと3000位あたりをうろちょろとしている。後期に入って良くも悪くも落ち着いちゃっているので、ちょっとマンネリ感が。僕の場合、ネタとかなしのガチ勝負でやっているからなあ。ちょっと縛りでも入れていくか。

それと、全然関係ない話で恐縮だが、ACLを見ようと思ったら、BS朝日にチャンネルが合わない。ケーブルテレビ会社のホームページで確認すると、デジタル放送の帯域確保のためにアナログのBS系のチャンネルの放送をやめたらしい。仕方がないので、ねとらじでBS朝日の音だけ聞くことにする。川添が五月蝿くて全然試合内容はわからないが。

そろそろデジタル放送に移行しようかな。WOWOWとか入ると、サッカー観戦に歯止めが効かなくなりそうで怖いのだが。

2007-09-19

School Days最終回まさかの放送中止

16歳の娘、斧で警察官の父を殺害容疑

このニュースが原因じゃないかと言われているが……。ということは、やはり、鋸EDなのか?

2007-09-18

らきすた 最終回

他のアニメより一足早く、らきすたは最終回だった。まあ、あのとおりのアニメなので、OP再現のチアダンスあったくらいで、最終回だからって特別なことはないのだが。

全話終わったということで、このアニメ全体の感想なのだが、その前に、このアニメに関するネット上の議論について触れておきたいと思う。らきすたは、DVDがバカ売れしてニコニコ動画を筆頭に各所で話題になっているのにもかかわらず、賛否両論、毀誉褒貶が激しく、少し前にブロガー達の間で、どこが面白いのかわからないというエントリーが流行したことがあったくらいだ。そこで、らきすたの面白さについて、一応、自分なりの見解を述べておこうと思う。

少し遡って、ハルヒのEDが流行ったとき、正直言って、なぜこれがこんなに流行るのか、理解できなかった。ハレ晴レユカイはハピマテやネコミミモードみたいなキャッチーな曲じゃないし、アニソンでオリコン上位を目指すというのも、そろそろ飽きてきたころだ。作画が良いと言っても、おそらく実際のダンスをアニメに起こしたものだろう(ロトスコープって言うの?)。手間はかかるのはわかるが、写真をトレースした絵のようなもので、クリエイティブな感じはしない(これは学園祭シーンにも言える)。カメラワークだってずっと正面だけだ。これはらきすたのOPと比べるとよくわかる。あれは一目見ただけで凄いとわかるのだが、ハルヒEDには(意図された?)チープさのようなものがある。

と、当時は思ったのだが、今から振り返ると、納得できる理由も見えてくる。やはり一番大きな背景は、YouTubeを始めとする動画系サイトの盛り上がりだ。記憶を遡ると、YouTubeの日本での盛り上がりは、ハルヒの放送の少し前だったと思う。日本では、深夜アニメやU局アニメがアップされて、時間の合わない人や放送されてない地域の人が見るというのが主な使い方だったが、MADや自分で撮影した映像をアップする人も出始めていた。

ハルヒEDの妙なリアリティはこういう背景に支えられている。ハルヒED自体がハイクオリティでありながら、いかにも素人が作った創作ダンスの動画のように見えるし、実際ハルヒEDを踊った動画が何本もYouTubeにアップされたりした。世間で言われていることの繰り返しになるが、ハルヒの流行にはネットの存在が大きい。しかし、ここで言っているのは、ネットを媒介にして流行ったというよりは、今だとニコニコ動画の存在でわかりやすいが、ネットが作り出すある種のリアリティをうまく京アニ(というか山本寛)が掴んでいるということなのだ。

リアリティという言葉を何度か使ったが、らきすたの面白さを説明すると、まさにこのリアリティの問題ということになる。有名な1話冒頭いきなりチョココロネの話を始めるのは、(原作通りというのもあるが)一つのリアリティを定義していると考えることができる。つまり、退屈極まりない雑談だが、それが日常でしょ、ということである。しかし、それは巧妙に作り変えられた日常でもある。オタクは少女になり、かわいい友人たちもいる。理解のある先生、親、親戚。らっきーちゃんねるというのは現実とアニメの世界の橋渡しをする役割もある。ハルヒ2期決定に喜ぶこなたなんていうのは象徴的だ。つまり、らきすたに対してリアリティを感じるか、もしくは、らきすたの中のリアリティに憧憬を感じない人間には、ちっとも面白くないようにできているのだ。2chでアニメを実況し、ニコニコ動画にMADを上げたり、ブログでアニメを1話ごとに感想を書くような人間が楽しむようにできているのだ。

簡単に言ったが、しかし、これは凄いことだ。僕は、昔、押井監督の『攻殻機動隊』や『serial experiments lain』を見て、その映像の凄さに驚嘆しつつも、ある種の苛立ちも感じていた。当時、2chや、もちろんYouTubeもなかったが、パソコン通信があり、ネットニュースがあり、メーリングリストやWebチャットが流行ったりしていた時代だ。当時大学生だった僕の生活には、それらのネットと、サークル活動や課題レポートなど普通の学校生活が同列に存在していた。そういう人間からすると、攻殻やlainみたいにネットが解脱の対象であったり、ホラーの対象になっているというのは、いかにも世間のネットに対するイメージに迎合しているという感じで、納得がいかなかったのだ。結局、ネットのリアリティがアニメの世界に反映されるのは、攻殻SACまで待たなければならなかった。

ということで、2ch、YouTube、ニコニコ動画の盛り上がりをリアルタイムに作品のリアリティとして取り入れられるのは、やっぱり凄い感性だと言わざるをえない。恐るべし山本寛である。結局、京アニから離れてしまったということで心配ではあるのだが。

と、色々、らきすたの面白さについて語ってきたが、では、らきすたが面白かったか、というとこれはまた微妙な話ではある。特に後期、本編は狙った日常の退屈さから、本当の惰性になり、そして全く空気の読めていない白石実写ED。やっぱり、クラナドとハルヒ2期までのやっつけアニメという感じが出てきてしまったなと思う。まあ、色々考えることがあっただけ、楽しめたと言えば楽しめたのだが。

2007-09-17

Jリーグ 第25節 広島×浦和 川崎F×大分

結果は、広島×浦和は2-4で浦和の勝ち、川崎F×大分は2-2で引き分けだった。

広島と浦和の試合はだるい試合だったな。立ち上がりは互角かと思われたが、12分田中達也が左足で見事なミドルシュートを決めると、浦和が一気に攻勢に出て、23分に長谷部、37分に永井がゴールを決めて、勝負を決めてしまう。広島は(あの横浜FCを押えて)J1最多失点チームなのだが、なんとなくその理由がわかるね。DF個人の能力が低いというわけでもないと思うのだが、3バックということもあって、サイドに起点を作られてしまっていたし、セットプレーでは酷いマークミスをしていた。あと、1ボランチだから、中盤がスカスカだよね。DFの戸田のロングフィードや、千葉から加入したストヤノフの攻め上がりとかは面白いんだけど、あれでは強豪相手には順当に負けてしまうだろうな。

しかし、浦和は3点取ると完全にお疲れモードに。まあ、代表選手が多いので仕方がないところもあるのだが。TBSの副音声で見ているのもあって、まあ、だるいことだるいこと。ということで、この後の試合展開は省略させてもらう。

次に、川崎Fと大分の試合。これは、最後まで目が離せない凄い展開になった。前半は川崎ペース。中盤のプレスとボール展開の速さ、中盤からの飛び出しと、ノっているときの川崎はJリーグで一番強いんじゃないかと思わせるものがある。しかし、大分もDFの集中力が高く、特に川崎のキープレイヤーのジュニーニョにしっかり複数の選手でマークをして仕事をさせない。

大分はここで守りきったのが大きかった。後半になると、一転して川崎の動きが止まる。これにはちょっと驚いた。確かに中村憲剛は代表帰りで疲れているだろうが、他の選手は中断期間でしっかり休んでいたはずじゃないのか。前半で勝負を決めるつもりだったのだろうか。ペース配分に失敗した川崎はしっかりとツケを支払わせられることになる。

高松の折り返しを、攻め上がったボランチのエジミウソンがシュート。これで大分が先制。流れ的に大分が押していたので順当な感じ。大分は前線に高松や梅崎、今売り出し中の高橋大輔といったタレントが豊富で攻めに出るとなかなか迫力がある。高松と梅崎にキープ力があるから、攻撃手段が豊富なんだよね。前半戦はこの二人がいなかったのが痛い。まあ、15位にいるチームじゃないでしょう。

しかし、これで川崎もようやく目が覚めたのか、失点後に交代で入った我那覇が左サイドで起点を作り、ジュニーニョのアシストで同じく途中交代の大橋がゴール。ここからはもう壮絶なBS劇場。今度は大分がロスタイムに途中交代の西山が見事なミドルシュートで勝ち越して、これで試合が決まったかと思ったら、今度は川崎の井川がさらにゴール。最後はロスタイムの点の取り合いになったが引き分けで終わった。

2度追い付いた形の川崎はまだしも、残留争い真っ只中の大分は痛い引き分けだった。しかし、川崎と互角以上に戦ったということで、これからの自信にはなっただろう。

ちなみにこの試合はU-22代表監督の反町監督が観戦に来ていた。目当ては梅崎と谷口だろう。特に本田が出場停止で、梶山が怪我という状況で手薄なボランチの谷口はチャンスだ。しかし、梅崎は前線で動き回り、ある程度アピールはできたものの、完全に押された状態で大橋に変えられてしまった谷口は印象が悪い。Jリーグでの実績に比べると、代表での扱いが悪い谷口だが、こういう巡り合わせの悪さもあるのだろうか。

25節全体では、ガンバが横浜FMにホームで敗戦。横浜FMは最近絶好調だから、まあ仕方がない。相変わらず3位は毎節変わるので、あまり気にしてなかったのだが、清水が6連勝と波に乗ってきた。何度か試合を見た印象では、劣化浦和みたいな戦い方をしていたが、あれから状況は改善されたのだろうか。

下位では、(下位とはもう言えないが)FC東京と千葉が3連勝で一気に降格争い圏内を脱出した。この2チームには散々文句を言ったが、順調に勝ってしまうのもなんかちょっと寂しい。FC東京の平山は後半終了間際に出場したらしいが、そこでなんと5人抜きのゴールを決めた。90分換算での得点率では0.90という数字らしい。原も反町ももっと平山の出場時間を増やそうよ。

下3チームは、大宮、甲府、横浜FCで決まりかなあ、というムードが漂い始めているね。大分がここでもう一頑張りしちゃうと完全に決まるね。非情だけど、選手層的に順当なんだよな。

あとは、優勝争いに集中するか。浦和はACLがあるからこれから苦しくなる。しかし、ガンバはこういう競り合いに弱いんだよね。Jリーグ名物のどちらがより駄目か合戦にならなきゃいいが。

2007-09-16

苦渋の決断(ThinkPad修理)

水が溢れてThinkPadが壊れた話の続き。修理見積もりで、9万ほどかかると言われてめちゃくちゃ悩んだのだが、結局修理することにした。まあ、微妙なんだけどね。新しく買うとすれば、英語キーボードやメモリも考えて、16〜17万円くらい。性能も考えると本当に微妙だ。別に絶対に必要なものというわけでもないだけに。しかし、修理しないとなれば、捨ててしまうわけだからなあ。もったいない。というわけで、苦渋の選択だったが、修理することにした。それにしても、ベットボトルの蓋をしめなかったくらいで高くついてしまったものだ。

正確な修理費は、「液体に夜腐食あり(原文ママ)」ということで、「システムボード一式交換」、85,000円。それに消費税がついて89,250円でした。皆さんも気をつけましょう。

2007-09-15

Yahoo! ファンタジーサッカー 第25節 編成

位置選手チーム年俸
合計6億140万
GK塩田 仁史F東京1370万
DF市川 大祐清水8240万
DF茂庭 照幸F東京1650万
DF田中 マルクス闘莉王浦和8120万
DF千代反田 充新潟4110万
MF遠藤 保仁(C)G大阪8910万
MF今野 泰幸F東京6440万
MFポンテ浦和5010万
MF中村 憲剛川崎7280万
MF水野 晃樹千葉2920万
FWバレーG大阪6090万

今節は難しいね。特にDFが。中盤は無難にまとめて、FWは前節20fpのバレー。DFは、対横浜FCで登り調子のFC東京から2人。あとは分散。

今節は編成中に研究室の人気ランキングが出ないのだが、編成が終了してランキングを見たら、ジュニーニョが1位で驚いた。FWは読めないからと、すごく軽い気持ちで外してしまったので、ちょっと不安になってきた。こういうときは当たるんだね、人気ランキング。

2007-09-14

桜庭一樹/少女七竃と七人の可愛そう大人

少女七竈と七人の可愛そうな大人
桜庭 一樹
角川書店
2006-07
単行本

野生時代に連載していたものをハードカバーに単行本にしたということで、ちょっと大人向けの作品。成就することない恋愛の代替として7人の男と交わった川村優奈。その優奈の美しい娘、川村七竃(ななかまど)がこの小説の主人公だ。7人の男の誰が父親か分からないはずなのだが、七竃は成長していくにつれ、幼馴染のこれまた美しい少年、桂雪風に「かんばせ」(顔つきのことだ)が似てくる。どうやら、桂雪風と川村七竃は異母兄弟だったらしい。つまり、7人の男のうちの一人が桂雪風の父親だったのだ。そのうち、似てくるどころか、顔が瓜二つになってくる。彼らが住んでいる旭川という地方都市では、彼等のような複雑な関係は社会的に許されないだろう。というわけで、最終的には追われるようにして、七竃は東京の大学に進学する。

と、七竃の視点で見ればこういう話なのだが、実のところ本当の主人公はやはり母親たちということになるだろう。川村優奈と周りの人間たちの価値観の捻れが面白い。川村優奈は関係を持った7人の男のうち、7人目の嘘吐き男の優しさに特別な「無意味さ」を感じて、そのとき近くにあった七竃の木に因んで娘に七竃という名前を付けるのだが、本当の七竃の父親はさらに何の思い入れのない4人目の美しいだけの男だった。しかし、優奈の友人であり、雪風の母親でもあり、その「かつて美しかった男」の妻である桂多岐にしてみれば、それには複雑な想いがある。結局、最後は多岐が優奈を殴り倒すんだけど。

また、優奈は七竃を生んで7、8年後に本命だった田中先生とひょんなことから再会し、情事に及ぶのだが、そのときの男の生々しさと、優奈の半分冷めてしまった悲しさみたいなものが、女性作家らしい視点で書かれている。この辺の感情は正直よく分からないが、興味深い。

あと、最後の優奈と七竃の対話も面白い。優奈は、田中先生との再会後、旅ばかりして子供の世話などはほとんど放棄しているのだが、「きっと、尊敬してほしいのね。(中略)誰よりも、血を分けた娘に」と無茶苦茶なことを言ったりして、これがまた面白い。「女の人生ってのはね、母をゆるす、ゆるさないの長い旅なのさ」なんて言う人生の機微に振れているような台詞もまた興味深い。

この小説は、親子、友人、異母兄弟と、構造がしっかりしているところが面白さに繋がっているんだろうな。GOSICKの最後の方もそうだったが、物語の構成力があるなあと感じる。

しかし、いまいち釈然としないところもある。顔が瓜二つな七竃と雪風の二人のナルシシスティックな関係が外因より崩されて、つまり、自分の半身が分かれることで成長するというのは、成長物語としてはちょっと単純かなあという気がする。萩尾望都『半神』とかね。

『砂糖菓子の弾丸は撃ちぬけない』でも、最後になぎさと兄が山に登って藻屑の死体を見て帰ってくるというのは『スタンド・バイ・ミー』なんかと同じで非常に分かりやすい成長物語だった。こういうことを考えると、やっぱり、純文学としては、いささか素直過ぎるような気がしてしまう。かと言って、ライトノベルでもないしね。そういう意味では微妙な小説だよね。

2007-09-13

五輪最終予選 U-22日本×カタール

結果は、1-0で日本の勝ちだった。日本の得点者は梶山。

勝って勝ち点3を得たけど、内容は酷いなあ。この代表を楽しむには、サッカーという競技としてではなく、五輪出場をかけるドキュメンタリーだと思うしかない。観客の数も視聴率も減少傾向らしいが、こんなサッカーでは致し方ないところだろう。

最終予選は1チームしか勝ち抜けず、2敗すると突破が厳しくなるという状況で、きっちり勝つということは重要ではあるものの、まるでJ1昇格を目指すJ2のチームのような殺伐としたサッカーは、ホームで見るとさすがにげんなりする。

まず、ホームなのにもかかわらず、森島の1トップ、安田ではなく伊野波の左SBという消極的なフォーメーションはいかがなものか。反町監督は、U-20を使うのはいいんだけど、完全に運動量で守備をやらせることしか考えてない。二次予選までのチームでは、これでもかとタレントを入れていることを評価したが、最終予選からのフォーメーション変更はあまり楽しいものではないね。オシムのように連動したり、局面での数的優位を作るために運動量を求めているわけじゃなくて、ひたすら守備のことしか考えてないからね。A代表とは逆に、弱小だった新潟での反町監督らしい、どんどん夢のないチームになっていっている。

で、試合だが、開始5分くらいでいきなり日本が先制。遠めの水野のFKに梶山が頭で合わせた。水野のFKの変化が予想できなかったのか、相手GKの判断も悪かった。しかし、問題はその後だ。カタールはあまりに早い時間での失点だったせいか、ゲームプランを崩すことなく、自陣にひきこもる。それに対して、日本も消極的で、最終ラインでボールを回すばかり。この時点で見るのをやめようと思ったくらいの凡戦ムードが漂う。まあ、しかし、さすがにこの状態も長くは続かず、前半の終わりの方では梶山が上がり、パスが回るようになって、何度かチャンスを作ったが、決めることができなかった。結果的に、ここで追加点を挙げられなかったのが痛かった。

後半に入って10分、梶山が怪我で交代すると、流れが悪くなってくる。追い討ちをかけるように、同じくボランチの本田が2枚目の警告で退場すると、前半カタールが体力温存していたこともあってか、完全にカタールペースに。日本は必死に守るが、相手の攻撃を弾き返すだけで、セカンドボールはカタールに拾われてばかり。時折家長がキープして時間を稼ぐくらいしかできない。しかし、GKの山本の好セーブもあり、なんとか最後まで凌ぎきることができた。

色々と運が悪かったとは言え、この試合自体はカタールのゲームプラン通りだろうね。酷評されたベトナム戦以上に問題がある試合だと思うよ。最終ラインの水本と青山がかなり強いからなんとかなっているが、これではセットプレーでなんとか1点を取って、守り切るというチームではないか。A代表と真逆の方向性なのは間違いない。

まあ、終盤押し込まれたというのは、1人少ないというのもあるが、キープと展開ができる梶山がいないのが大きかった。で、その梶山の怪我だが、どうやらかなり深刻らしい。左脛骨高原骨折という怪我で、全治には3〜4ヶ月くらいかかるらしい。五輪予選もJリーグも全部絶望的だ。梶山は個人的にかなり期待していた選手なだけに、これは本当に辛いね。U-22は梶山がいることで、中盤でのタメがしっかりできていて、ゲームを作れていたと思うので、欠かせない存在だった。最終予選後半がまだ残っているのだが、かなりやばいのではないかと思う。あと、この間、FC東京の試合を見たが、今野と梶山のボランチは素晴らしい出来だった。リハビリが大変だろうが、頑張って早く戻ってきてほしいものだ。

2007-09-12

3大陸トーナメント スイス×日本

結果は、3-4で、日本の勝ちだった。日本の得点者は、中村俊輔×2(両方ともPK)、巻誠一郎、矢野貴章。この勝利で日本はこのトーナメント優勝。日本は、アジア以外の地区での大会で優勝するのは史上初らしい。

いや、凄い試合だった。2-0で前半を折り返したときには、内容的ももう駄目だと思ったし、2-3で逆転した直後のCKで追い付かれたときには、いつも通りだとため息が出たのだが、ロスタイムでの逆転勝利は、喜ぶというよりは驚いた。最後の点に絡んだ面子の気迫を感じて、ちょっと感動してしまった。

まあ、それはともかく。試合を振り返ると、前半と後半で極端に内容が分かれる試合になった。立ち上がりは互角と思われたが、FKとPKであっさり2失点。この早い時間で2-0になったのが、良くも悪くも試合の流れを作っちゃったね。スイスはひきこもるとまではいかないけど、まず守備をしっかりするというモードに入った。オーストリア戦を研究したのか、特にサイドの守備が徹底されていて、日本は最終ラインから中盤にボールを繋ぐこともできない。攻撃がうまくいくのは闘莉王が時折蹴るロングフィードくらい。完全に手詰まりという感じで、最悪なムードで前半終了。

そして、後半、前述のとおり、状況が一変して、中盤を日本が支配する展開になるのだが、これには色々な要因が考えられる。まず一番は、スイスのスタミナの問題。日本は前半散々追い回されつつも辛抱強くボールを回していた。それがじわりじわりと効いていたのだろう。第二には、スイスの選手交代。特に再三日本に攻め込んでいた左SBを交代したのは大きい。そして、後半早々の日本のPK。松井が仕掛けてファールをもらったものだが、これで2-1になったことで、スイスは浮き足立ってしまったようだ。これを日本が闘莉王のオーバーラップなどで巧みに突く。日本は試合の機を見るのがうまくなった。あとは、いつもの日本のポゼッションサッカーを展開する。この攻勢によって、巻がゴールし、さらに巻がもらったPKで逆転する。セットプレーでの得点ばかりだが、欧州の中堅国相手に、いつものA代表のサッカーが展開できるということが驚きだ。

しかし、逆転直後にCKからまた失点。オシムになってから本当にセットプレーに弱くなってしまった。練習をほとんどやってないらしいのだが、なんかちょっと心配だ。そして、ロスタイム、交代で入った憲剛、山岸、矢野の3人での逆転弾。憲剛が左サイドのスペースにいた山岸に出し、山岸がサイドの深いところからクロス、(同じく途中出場の)寿人がスルーして、憲剛が1トラップしてシュート、スイスのGKが驚異的な反応で防いだが、矢野が詰めて決勝ゴール。これは上にも書いたとおり劇的だった。

オーストリア戦、スイス戦と思ったよりも日本は自分たちのサッカーを行なうことができた。これからのW杯予選に向けてかなり自信になったのではないだろうか。

アジアカップでのポゼッションサッカーに対して、個の力が必要とか、リスクを冒せとか言っているが、まず、あのサッカーが世界に通用するものなのかどうかが一番重要だろう。そういう意味で、今日の遠藤、俊輔をはじめとする中盤の技術は世界の中堅相手でも十分高いことが証明されたと思う。まずは、そこを褒めたい。

リスクを冒すという点では、やはり早々にビハインドになったことで、点を取る意識が高くなったのと、闘莉王の存在は大きかった。相手が1トップになると見るや、するすると最前線に上がったのは、他の選手も目が覚めたことだろう。つくづくアジアカップに欲しかった選手だなあと思った。

稲本、松井はまあまあ。しっかりとチームの役割をこなせていた。稲本は啓太と一緒にスイスの攻撃の目を潰していたし、松井は何度がいい仕掛けがあった。最初の得点は松井が取ったPKだしね。あと、呼ばれなかった中田だけど、やっぱりオシムは最終ラインは国内組で固めたいんだろうなと思った。まあ、加地と駒野は(クロス以外は)良い動きをしているというのもあるかな。もう、代表にアピールしたいから海外という時代ではないね。自分が海外クラブで成功したいという野心がないと駄目だね。サッカー強国になるには、極東という地理的な条件はなかなか厳しい。

2007-09-11

西尾維新/刀語 第四話 薄刀・針

刀語 第四話 薄刀・針
西尾 維新
講談社
2007-04-03
単行本

日本最強の剣士・錆白兵との戦いが描かれるかと思いきや、前編に渡って主人公鑢七花の姉の七実と真庭忍軍の戦いの話。錆白兵との戦いは、事後の感想戦という感じで数ページの短さまで端折られる。まあ、これまでと比べると西尾維新らしいと言えばらしい。こう言っては何だが、西尾維新は手を抜けば抜くほど、要するに語るのを放棄すればするほど作品は面白くなるのではないかという気もする。この刀語よりも化物語の方が評判いいしね。

西尾維新は、物語に対してナチュラルにシニカルなところがある。本人はまともに物語を書いているつもりかもしれないが、読む方は良くも悪くもちゃんとした物語になっているのかと訝ってしまって、必要以上に深読みしてしまうか、肩透かしじゃないかと文句をつけたくなる。この4巻なんかはそういう意味で、わかりやすく西尾維新らしい話。しかし、我ながら、これって褒めているんだろうか。まあ、褒めてないな。読む方もシニカルだからな。

2007-09-10

桜庭一樹/砂糖菓子の弾丸は撃ちぬけない

砂糖菓子の弾丸は撃ちぬけない―A Lollypop or A Bullet

↑文庫本の方がメジャーだと思うが、ハードカバー版で読んだので。

GOSICKは前哨戦で、ここからが桜庭一樹の本番だ。桜庭一樹があるときふと思い付いて一気に書き上げたというこの作品は、ライトノベルに留まらず、広い範囲の読者からの支持を集め、この作品の評判をきっかけに桜庭一樹は一般文芸の分野にも進出していくことになった。

作品冒頭、二人の主人公のうちの一人海野藻屑(うみのもくず)が新聞記事によりバラバラ遺体になることが示唆される。藻屑は父親の雅愛からの深刻なDVの被害者で、左耳の鼓膜が破壊されて聞こえなくなっていたり、赤ん坊のころに乱暴に扱われて股関節がおかしくなっていて、普段から足を引き摺るように歩いている。「うみのもくず」なんて変な名前もライトノベルでは普通に流されるところだが、この作品では転校してきた海野藻屑の名前にクラス一同が驚くところから物語が始まっている。つまり、作中でもある種の悪意でつけられた名前というふうに解釈されているわけだ。

もう一人の主人公は、そんな海野藻屑になぜか懐かれてしまった山田なぎさ。こちらもあまり幸福とは言えない。父親が亡くなり、兄がひきこもりになり、通販で散財し、家計を圧迫するという環境で、なぎさは中学を卒業したら自衛隊に入隊することを考えている。

短い小説なので、あっという間に最後になるのだが、兄に依存気味でその環境を破壊されることを恐れたなぎさは藻屑を連れ立って家出することを決意する。そのとき荷物を取りに寄った藻屑の家で藻屑は父親に殺されてしまう。藻屑の家の外で待っていたなぎさは藻屑が殺されたことを確信して警察に駆け込むんだけど、相手にしてもらえず、兄と二人で藻屑の死体が遺棄されていると思われる蜷山に登り、遺体を発見し、その後日談が語られて終わる。基本的に冒頭で予告なり暗示されていたとおりに話が進みミステリーらしいところはほとんどない。

面白いか面白くないかで言えば、かなり面白い。しかし、これはライトノベルではなくて純文学だよな。文藝あたりがよく似合いそうな。だから、ライトノベルからこういうのが出てきたとか、ライトノベルも文学に肩を並べるようになったというのは違うと思う。それよりは、単純に純文学が間違ってライトノベルレーベルから出版されたという方がおそらく正しい。面白いのは間違いないが少し寂しい気はする。

2007-09-09

五輪最終予選 U-22サウジアラビア×日本

結果は0-0で引き分けだった。

昼間は気温が40度を越え、湿度も80%近いという非常に厳しい環境で、A代表も負けたサウジ相手に引き分けという結果は評価できる。前日練習で予告されていたとは言え、スタメンは結構驚いた。平山ではなくU-20上がりの森島の1トップ。シャドーの位置に水野を起用し、右サイドは内田。特徴のかぶる水野と内田の同時起用はどうだろう。この位置で起用するなら柏木の方がよいと思うし、それなら梅崎呼べよとも思う。

前半は日本は足が重くて、かなり押し込まれる展開。現地の様子が想像できないので、なかなか迂闊なことは言えないのだが、普通に運動量で負けてたし、パスを受けるところを狙われてインターセプトされることが多かった。U-22を見ていると、A代表のポゼッションサッカーというのが、非常に高い技術と連携があって成立しているというのがよくわかる。

しかし、やっぱりこの世代の日本のDFは強い。この試合では特に水本が良かった。サウジは日本を研究しているのか、本田圭佑の上がった背後をよく突いてきたのだが、水本がうまくカバーに入って大事には至らなかった。本田を使うときは、水本とセットで使う感じじゃないといけないかもね。

攻撃では、やっぱり家長。あのポジショニングの良さは凄いね。どこに顔を出せば周りの良さを引き出せるかというのがよくわかっているし、中央で受けてパスを出すこともできるし、サイドに開いてボールを引き出したり、そこからクロスを上げたりという感じで、シュート打ってゴールを決めること以外は何でもできる。センスなのか、相当インテリジェンスが高いのか。まあ、とにかくシュートだけはうまくなってほしいが。

後半から水野と柏木が交代。平山を先発で出さなかったことも合わせて考えると、反町監督は中3日で迎えるホームのカタール戦を考えたのかもしれない。解任の話も出ているというのに、冷静だなあ、と感心した。まあ、当たり前かもしれないが。

柏木が出たからというわけでもないだろうが、後半は日本も盛り返して互角の展開になる。しかし、日本、サウジ双方に決定的なチャンスもピンチもなく、サウジに退場者が出ると、なんとなく引き分けの痛み分けでいいか、みたいなムードになり、なかなか見るのが退屈な試合になってしまった。最後5分くらい平山が出たが、ほとんどボールに触れず試合終了。

厳しいアウェーでの引き分け、U-20の選手の起用や、平山と水野の温存ということを考えると、反町監督の狙い通りの結果だったのではないだろうか。この試合は次戦のカタール戦とセットだと思うので、評価はそのときにしたい。

とは言え、サウジ相手に運動量で負けて、押し込まれる展開だったというのは、見ていてあまり愉快なものではない。保留は保留でもややネガティブな保留だ。

2007-09-08

3大陸トーナメント オーストリア×日本

結果は、0-0で、PK戦で4-3でオーストリアの勝ちだった。

しかし、この3大陸トーナメント、色々謎なレギュレーションだ。オーストリア、スイス、チリ、日本の4カ国が参加するのに、総当たりじゃなくて1カ国、2試合しかしないし、引き分けでも(延長なしで)PKで決着つけるし、勝ち点の計算もおかしい。

それはともかく、このオーストリア戦だが、俊輔、遠藤など中心メンバーが同じなせいか、見事にアジアカップの再現VTRのような試合だった。パスはきれいに回り、ボールもキープできるが、最後は相手DFに阻まれるという展開。これは、内容が良い悪い以前に、飽きてきたという感じで、見ている方にはなかなか辛い。オーストリアは前線からちゃんと守備をしてたけど、サイドの対応がよくなかった。ロングフィードやサイドチェンジのパスを通しすぎ。ホームなのに大丈夫だろうか。

この試合では、欧州組として、阿部の代わりに稲本がボランチに入ったがまずまずの動き。あのフィジカルの強さ、深いスライディングはさすが長年欧州でプレーしているだけある。しかし、攻撃という面では少し寂しい。2002年あたりだと、稲本と言えば、思い切りの良い攻め上がりだったが、今は無難なボランチという感じだ。不用意なファールがあるのと、運動量が少ないのも気になる。あえて海外組として招集するには物足りない。交代で出た憲剛が速い判断でパスを回して、前に飛び出してミドルシュートを打っていたのと対称的だった。阿部、憲剛、稲本と3タイプ違うボランチを揃えるのもいいかもしれないが。

松井は途中出場だったが、田中達也と交代で出て矢野or巻の1トップの状態ということで、やりにくそうだった。やっぱり、俊輔、遠藤、松井は2人までという感じなのかなあ。

で、その俊輔と遠藤だが、またもや、俊輔の下がりすぎ、遠藤が前で頑張るが1人で何もできないという場面がよく見られた。前にも言ったが、逆だよ、逆!プレーが正確な遠藤が後ろでフォローして、アイデアのある俊輔が前にいるべき。こう言っては何だが、俊輔は頭が悪いのではないだろうか。昔からずっとこうだ。俊輔抜きの戦術も考えておくべきだろう。

総評としては、ホームのオーストリアがこれほど駄目だったのは予想外。この間のカメルーンの方がずっと強かった。日本はチャンスを作れていないわけではなかった。ただ、もうちょっとチャンスの数を増やさなきゃいけない。どうせ、日本は数打ちゃ当たる戦法しかないからね。そうなると、今の戦術の微調整という感じで、見ている方がつまらないかもなあ。オシムは世論的に不利な状況かもしれない。それをオシムを打開するのを楽しみにしよう。

2007-09-06

数陣タイセン買った(Wi-Fiコネクションの話の続き)

Wi-Fi環境が整ったので、何か対応ソフトを買おうと思ったのだが、選択肢はそれほど多くない。元々Wi-Fi対応ソフトが多くないというのもあるが、DSのWi-Fi人口が思ったより少なく、活発に対戦が行なわれているゲームに絞ると、10本はないだろう。そして、対応ゲームは対戦ものばかりで、PSOやMHPのような協力して進めるタイプのゲームがないのが寂しい。この間出たFFCCもWi-Fiでは協力プレーできないしね。この分だと、協力プレーが売りのDQ9もWi-Fi対応はしなさそうだなあ。

で、何を買うかだが、やはりメジャーな「いただきストリートDS」にしようと思ったのだが、いたストは「フレンドコード」なるものを交換しないとWi-Fi対戦できないらしい。全然知らない人とはマッチングをしてくれないのだ。うーん、面倒臭い。2chに対戦コード交換スレがあったけど、使うのはもうちょっと様子を見たい。ということで、比較的最近に発売されて、まだWi-Fiの人気もそこそこあると思われる数陣タイセンを買ってきた。

数陣タイセン
任天堂
2007-06-07
Video Game

で、軽く「並の章」をクリアして、早速Wi-Fi対戦してみたのだが、どうもこちらの問題で切断されることが多い。感覚的には、15分〜20分ほどで切断されてしまう。おそらくAIR-EDGEの問題ではなく、Linuxのドライバの問題だと思うが、相手がいることなので、ちょっとこれはまずい。対人戦自体は非常に面白いのだが、いつ切断するか冷や冷やしながらやるのでは、意味がない。色々と調べたり、いじくってみたりする必要がありそうだ。

数陣タイセン自体は面白いゲームで、Wi-Fi対戦もかなり熱中するゲームだということは繰り返し強調しておく。

2007-09-05

Yahoo! ファンタジーサッカー 第24節 結果

位置選手チームボーナスfp
合計18fp71fp
GK都築 龍太浦和2fp5fp
DF加地 亮G大阪1fp7fp
DF田中 マルクス闘莉王浦和2fp8fp
DF小宮山 尊信横浜FM3fp8fp
MF阿部 勇樹浦和1fp4fp
MF遠藤 保仁(C)G大阪2fp7fp
MF平川 忠亮浦和0fp0fp
MFポンテ浦和2fp5fp
MFマルシオ リシャルデス新潟0fp0fp
FWウェズレイ広島2fp16fp
FW田中 達也浦和1fp4fp

惨敗という感じだが、まあ、平川、リシャルデス不出場で、浦和が負けたんだから仕方がない。とは言っても、バレーはハットトリックで20fpだからなあ。悔しいは悔しい。切り替えていこう。

2007-09-04

有川浩/図書館内乱

図書館危機
有川 浩
メディアワークス
2007-02
単行本

貧乏性でまた読んでしまったが、これを最後にする。やっぱり、この作者の作品は合わないな。特に合わなかった部分は、まず、最初の章、ほとんど図書館と関係ない痴漢退治の話だ。確かに痴漢は酷い行為だが、主人公側が「死ねばいいよ、お前」とか「やったァ、二十六歳ですって。実名報道ばっちりオッケー。(中略)その汚い顔と親のせっかくつけてくれた名前で社会的に死に態さらしてくるがいいわ」と言ってキャッキャッと喜ぶのは、さすがに悪趣味が過ぎるのではないだろうか。これでは、2ちゃんねらーが犯罪行為を書いたブログを荒らすのとなんら変わりがない。前作でも、WEBで本を酷評する人間についても似たように悪く書いていたが、どうもこの作者は自分がパニッシュしたい対象を小説の中に入れて袋叩きにする傾向があるようで、こういうのは好きになれない。

それと、これはこの作品だけでなく、全体的な傾向だが、この作者は自分と異なる思想を持つ登場人物を徹底的に貶めて書くところがある。この作品では「無抵抗者の会」という、主人公たちの戦闘行為を非難する団体が登場するが、この書かれ方も酷い。とにかく自分勝手で、高尚な考えなどなく、敵のいいなりで、これに与した図書館館長は、最後保身のために図書館に放火するという小物ぶりを発揮する。フィクションだから、ある程度は仕方がないが、ここまでやると主人公たちの立場が相対化されないので、読む方が自分で主人公たちの粗探しをやってしまいたくなる。まあ、僕みたいな読者は少数なのかもしれないけど。

と、色々と僕には読むのがしんどい小説だね、これは。作品の思想的な粗を、そういう小手先の描写で補っているような気がしちゃうんだよね。まあ、あまり、文句ばかり言ってもしょうがない。とにかく、この作者の作品を読むのはこれで最後にする。

2007-09-03

Jリーグ 第24節 FC東京×神戸

結果は、3-1でFC東京の勝ちだった。

この日は、この試合の他に浦和×大宮と名古屋×G大阪の試合も放送していたのだが、どちらも上位と、主力が欠場している下位チームの組み合わせということで、FC東京と神戸の試合を見ることにした。と言っても、放送時間が少しずれたので、浦和×大宮も前半30分と後半の途中15分は観たので、あとで少し触れる。

FC東京は前節から茂庭が復帰し、今野がボランチに上がった。この試合はオシムが観戦に来たということで、神戸の大久保は代表入りに向けてアピールしたいところだ。

試合は前後半を通じてホームのFC東京ペース。中盤で今野が守備に動き回って、セカンドボールを拾ったり、高い位置でプレスをかけたりとFC東京が中盤を支配していた。神戸は、時折炸裂するカウンターでいい攻撃をしていたけど、いかんせん回数が少なかった。中盤で梶山と今野がうまくボールをキープしたり左右に散らしたりして神戸はなかなかボールを奪うことができなかった。浦和から移籍してきた「イケメン」酒井は全然目立っていなかった。しかし、この試合では今野と梶山を褒めるべきかな。

前半は、セットプレーで1点ずつ取った両チームだったが、FC東京がルーカスを投入して、1点を取り、調子の悪い石川を外して梶山を上げて、さらにFC東京がゲームを支配したところで、ルーカスが2点目を取り、勝負アリ。最後10分ほど平山が出てきたが、チャンスを決められなくて悔しそうだった。大久保は、オシムの前でほとんどプレーさせてもらえず、この日発表になった日本代表のFWの追加招集からも漏れてしまった。チームが4連敗と状態が最悪だし、色々と正念場だ。

やっぱり、この試合は今野のボランチにつきるだろう。どうせ、FC東京のDFはボロボロだし、シュートやクロスの精度も低い。そう開き直って今野を中盤に使って、味方のチャンスを増やし、敵のチャンスを少なくすること目指した方がよいだろう。

神戸も課題は同じ。もっと中盤でボールを奪ってショートカウンターの形を作らないと駄目だ。神戸もFC東京ほどではないが、毎試合失点してしまうという悪い癖がある。カウンター狙いと言ってもあまり自陣で守るとずるずるとやられてしまう。前線から中盤の守備が鍵になるだろう。

次に浦和と大宮の試合だが、大宮勝っちゃったね。この間の横浜FCに引き分けたガンバもそうだが、Jリーグはこういうところがよくない。ちゃんと勝つべきところで勝たなきゃ。サッカーという競技は守備が良くないと試合が面白くならないが、リーグ戦も上位チームが下位チームにしっかり勝つことで緊張感が生まれるのだ。

で、試合の内容だが、まず、浦和の足が重い。パスコースを作る動きが少なくDFからのビルドアップに失敗して、鈴木啓太あたりが苦しいロングボールを蹴ることが多かった。大宮の守備は、4-4-2のブロックを綺麗に形成して、スペースを消していた。最近大量失点が続いていたのだが、実際に見てみると、いかにも大宮らしい守備だなと思った。監督交代の混乱もようやく収まってきたのだろうか。前半30分のところで、FC東京×神戸に変えて、そのハーフタイムで再び15分だけ観たのだが、印象は前半と変わらず。浦和は焦ってボールを蹴ることが多かった。好調平川に代わって相馬を出したのも悪かったかもしれない。もっと好調の田中達也を生かすような攻撃をしたかったところ。

24節全体では、上位陣は浦和が負けて2位ガンバとの勝ち点差が1に縮まった。下位では、広島、FC東京、千葉、大分、大宮が勝って、甲府と横浜FCが負けた。大宮が今節金星を挙げたが、まだまだ苦しい。14位の千葉が勝ち点28、15位の大分が25、16位の大宮が21と、下位の中でも勝ち点差が開いてきた。千葉はアウェーの新潟に勝ったのは大きい。10位の名古屋が勝ち点30ということで、この辺は団子状態。千葉より上は自動降格は免れそうだ。入れ替え戦も、そろそろ絞られてきたような気はする。千葉がギリギリひっかかりそうな気もするが、得失点差に大きな開きがある。普通にやっていれば、千葉はセーフだろう。しかし、今の順位は順当に選手層の差という感じで少し面白くない。大宮と甲府の巻き返しはあるのか?

2007-09-02

桜庭一樹/GOSICKs III

GOSICKs 3 (3)
桜庭 一樹
富士見書房
2007-04
文庫

GOSICKシリーズの短編集の第3巻。GOSICK本編の6巻直後の話になる。

今回は、一弥が退屈凌ぎにヴィクトリカに物語を語って聞かせ、その物語に対してヴィクトリカが「知恵の泉」により別の解釈を与えるという構成。本編6巻あたりもそうだが、ライトノベル的文体からどんどん離れていって、いかにも小説家らしい語り口になりつつあるなという感じがする。

そして、最後にコルデリアが登場し、4巻でも話題になった王妃ココ=ローズの殺人事件にヴィクトリカが巻き込まれるのではないかと、7巻のちょっとした予告をして終わる。本当にジュピター・ロジェがココ=ローズを殺したのなら、話が面白くなりそうだね。

これでGOSICKシリーズは既刊全巻読んだんだけど、トータルで面白いかというとちょっと微妙な気はするな。全体的にミステリーの部分が少し弱い。1巻、2巻は面白い。3巻、4巻はちょっと退屈。5巻はよく分からない話だし、6巻はちゃんと推理小説するかと思わせて肩透かしなところがある。全体的に中途半端で、なんか、もうちょっとはっきりしたところが欲しかったかもしれない。あまり、桜庭一樹の入門って感じでもなかったかな。

話は逸れてしまうが、少し前に某人気アニメ制作会社でアニメ化されるかもという噂が立ったが本当だろうか。見てみたい気もするが、思いっきりコケそうな気がするな。某社には某ラノベ2作品だけでなく、色々手を出してもらいたい気もするのだが、まあ、でもGOSICKはやめた方がいいかもな。某4コマアニメと違って某ラノベ信者が食いつきそうにないし、エロゲ原作ほど安定したDVDの売り上げも期待できないしな。それにしてもエロゲ原作は秋の某作品で打ち止めにしてほしいものだ。

2007-09-01

Yahoo! ファンタジーサッカー 第24節 編成

位置選手チーム年俸
合計6億630万
GK都築 龍太浦和6780万
DF加地 亮G大阪8670万
DF田中 マルクス闘莉王浦和7730万
DF小宮山 尊信横浜FM2910万
MF阿部 勇樹浦和7820万
MF遠藤 保仁(C)G大阪8910万
MF平川 忠亮浦和1870万
MFポンテ浦和5270万
MFマルシオ リシャルデス新潟2630万
FWウェズレイ広島5950万
FW田中 達也浦和2090万

今節は拮抗したカードが多くて、浦和×大宮以外勝敗が読みづらい。人気上位を並べてしまった感じだが、なかなか差別化が難しいのだ。期待はリシャルデスと加地かな。リシャルデスは最近ずっと好調でセットプレーのキッカーもしている。加地は一気に1500万くらい減俸したのでお得感がある。

で、これを書いている途中で、平川とリシャルデスがスタメンじゃないことが判明。しかも、リシャルデスはベンチにもいない。マジかよ……。