2007-11-15

ACL 決勝 第2戦 浦和×セパハン

結果は、2-0で浦和の勝ち。浦和の得点者は永井と阿部。

まずは、浦和おめでとう。春先から長い戦いだったけど、結果的に12戦無敗で優勝という成績は、非常に立派なものだ。アウェーで1勝5引き分けというのがいかにも浦和らしい。アジアの中では、ヨーロッパの古豪のような試合巧者ぶりを発揮しているね。Jリーグの歴史は15年程度なんだけど、こんな短期間でこういう勝ち方をするチームが出てくるわけだから、凄いと言えば凄い。

試合は、準決勝第2戦と比べると、かなり楽な試合だったんじゃないかな。自宅でテレビ観戦している俺が言うのもなんだけど。セパハンは堅守速攻のチームということで、浦和とチーム戦術がかぶるし、決定力も準決勝の城南に比べると数段劣りそうだし、浦和はやりやすかったんじゃないかな。試合を通じてセパハンの決定的なシーンというのはほとんどなかったと思う。守備ではやっぱり闘莉王の働きが目立っていた。ヘディングでも勝っていたし、カバーリングでもいいところによくいた。第1戦では、闘莉王が怪我でいなくて、危ないシーンもたくさんあったけど、やっぱりこの人がいるとかなり安定する。

攻撃は、3、4人でフィニッシュまでいくといういつもの形なんだけど、見ていてあらためて思ったのは、浦和の前線の選手は絶対にバックパスしないね。前方に人がいればパス出すけど、そうでなければボールを運ぶ、囲まれても抜きにかかる、これを徹底していた。ワシントン、ポンテをはじめとして浦和の選手はキープ力とフィジカルにかなり自信があるのだろう。あっさり取られたりすると見ている方は退屈に感じてしまうわけだけど、逆に言うと、守備が混乱するような危険な取られ方をすることもない。この辺も安定した試合運びに貢献しているんだろうなあ。

浦和の先制点は、ポンテのパスをセパハンのDFがありえないミスで後逸してしまい、それを永井がドリブルからシュートして決めたもの。ミスを見逃がさない迷いのなさはさすが。

後半になると、セパハンも人を入れ替えてポゼッションを上げてくるんだけど、セパハンFWがオフサイドにひっかかりまくりの単調な攻めを繰り返すばかり。セパハンは浦和と対戦するまでACLで先制点を取られたことがなかったらしいので、こういう状況はあまり得意じゃないんだろうね。

で、追加点も浦和。サイドからのクロスをワシントンが頭で落とし、永井がフリーでシュート(ほんとはこの時点で決めてほしいが)、キーパーが弾いたところを阿部が押しこんだ。これはワシントンと永井の動きも良かったけど、きっちりゴール前につめている阿部を褒めたい。DFラインに入ってボールを跳ね返すこともあれば、逆サイドの攻撃のときにはゴール前にも顔を出すというサイドの基本的な動きがしっかりできていた。さすがオシム門下生。あと、ヘディングが強いので、GKの都築がターゲットとしてよく蹴っていて、こういうところでも地味に役に立っていた。3試合連続阿部の右サイドというのは少し驚いたんだけど、この試合について言えば、よくはまっていたと思う。

試合はこのあとしっかり浦和が守りきって優勝。MVPは2ゴールに絡んだ永井。これで浦和はクラブW杯の出場権をアジアチャンピオンとして獲得した。セパハンもJリーグ優勝チームに与えられる開催国枠がスライドして出場できる。この点をセルジオ越後あたりが文句を言っていたが、セパハンも負けに来たわけではないだろうから、浦和の優勝の価値が下がるわけではない。浦和が優勝したことで来年の日本の出場枠にも変化があって、浦和に優勝チームとして1 つ枠を与えられるのだが、浦和は天皇杯優勝で既に出場権を得ている。ということで、天皇杯準優勝のガンバのACL出場が決定。さらにもう1枠あるので、Jリーグの上位1チームにも与えられることが決定した。それで、これも現在浦和が1位、ガンバが2位なので、3位の鹿島あたりも出られるかも、という状況だ。ガンバも鹿島も浦和様々だろう。

さらに余談で、この試合は急遽テレビ朝日地上波で放送されたのだが、視聴率は11.7%という中途半端なものだったらしい。まあ、亀田ボクシングやジャニーズバレーが高視聴率で、野球の日本シリーズが撃沈する国だから、そこそこ健闘したと言えば健闘したのだが、もっとこの試合の重要性が広く認知されていればという気もしないでもない。その辺は抜かりがない日テレのクラブW杯でどのくらいの視聴率が出るのか、今から楽しみではある。

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