2007-07-29

アジアカップ 3位決定戦 日本×韓国

結果は、延長まで0-0で、PK戦で5-6で韓国の勝ちだった。

うーん。日本も韓国も疲労の濃い様子で、双方バテバテの苦しい試合だった。

日本は、前の試合のオシムのコメントから若手が多く起用されるかと思われたが、蓋を開けてみたら、巻が山岸に変わっているだけで、残りはこれまでと同じスタメンになった。

韓国は、ここまで5試合で3得点3失点と守りは堅いが決定力に課題がある。しかし、決勝トーナメントに入ってからは2試合連続でPK戦まで持ち込んでおり、粘り強い戦い方をしている。

前半は、両チームともまだ運動量もあり、中盤で激しく潰し合うような互角の戦い。韓国は日本より疲労が見られたが、守備では当たりが激しく、DFはしっかりとラインを押し上げてきて、日本はなかなか崩せない。韓国は日本のパスミスからミドルシュートを打ったりするが、単発で味気ない攻撃。日本は良くも悪くも韓国のペースに付き合わされていた。

韓国のピム監督はJリーグでの監督経験があり、弟のロバートは現在大宮の監督をやっている。Jリーグ時代のピム監督のチームは全然覚えていないのだが、ソリッドな守備と淡白な攻撃は、良くも悪くも確かに今の大宮に通じるものがある。もちろん大宮の選手と比べると、韓国の選手はフィジカルも強く、シュート力があるのだが、あれだけアイディアがない攻めでは日本以上の得点力不足というのは納得できる。

そして、後半に入って11分を経過したところで、高原に対する守備で韓国DFが退場になる。高原が1トップということで、韓国DFのプレッシャーが集中していたのだが、それが韓国にとっては仇になった。また、この判定への抗議でピム監督をはじめ、3人のコーチが退席処分になる。

この後は、基本的には日本ペースなのだが、選手の疲労が激しく、日本の選手にもミスが多くなる。韓国選手は足をつったりしつつも、ラインをしっかりと保ち、日本の攻撃を弾き返す。特に韓国GKの出来が素晴らしく、日本の決定的なチャンスをことごとく止めていた。この試合のMVPは彼だろう。

延長に入ると、韓国の疲労はピークになり、露骨な時間稼ぎも増えてくる。あからさまに審判の指示を無視することも多くなり、退場処分されたコーチまでもがピッチに戻ってきたりしていた。これは正直いただけない。僕は昔からスポーツは勝ち負けを第一だとは思っていない。ルールを尊重し、エンターテインメントの精神の上に勝敗があると考えている。代表チームでも同じだ。韓国チームのこういったモラルを欠いた行為は厳しく非難されるべきだろう。見る側も白けさせられる。

そして、試合はPK戦へ。このPK戦は見応えがあった。もちろん日本を応援する身としては、心臓に悪くて見てられないって感じだったが。日本と韓国のキッカーの特徴は好対照で、日本のキッカーは中村、遠藤、阿部、駒野、中澤とGKの逆を突いたり、GKの届かないようなところに蹴るなど精度の高いキックを披露し、韓国のキッカーはとにかくコースに強く蹴るという感じで、川口もコースは読んでいるものの、球に勢いがあって止められない。そして、最後はなんとも皮肉なことにオシムサッカーの申し子の羽生が止められて、日本はアジアカップ4位になった。これも韓国GKの反応が良かった。

4位という結果は残念だけど、この試合に限って言えば、韓国守備陣が凄いとしか言いようがない。Jリーグの磐田でもプレーしたことのあるキム・ジンギュを中心に若くて身長もフィジカルもある良いDFだった。それにベテランのGKのイ・ウンジェが加わって、素晴らしいブロックを形成していた。日本も、似たような展開のオーストラリア戦と違って、いくつもチャンスを作ってはいたのだが、最後で30cmの精度が欠いたところがあった。とにかく、両者の疲労が濃い試合ではあったが、見方によっては好ゲームだったとも言えると思う。

アジアカップの総評については、次エントリーで。

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