2007-07-08

支倉凍砂/狼と香辛料III

狼と香辛料〈3〉
支倉 凍砂
メディアワークス
2006-10
文庫

前2作より恋愛風味が強い。っていうか、これもうカップルが成立しちゃっているよね。次巻でいきなりホロが懐妊してても全然おかしくない。しかし、ライトノベルってここからが大変だよね。

今回の商人バトルも面白いっちゃ面白いんだけど、どうも納得できないところがある。信用取引はいいんだけど、ライバルのアマーティの目的が銀貨1000枚集めることなのに、銀貨500枚分の信用取引に応じるものだろうか? 例えロレンスに勝ったとしても、現物が手元に残るのでは意味がない。証書を誰かに売るなら、最初からこんな取り引きを受ける必要がない。なんか不自然だよな。

祭りの描写とかも良かったんだけど、やっぱりちょっとくどいなあ。これはやっぱり話の焦点がずっと、相手の気持ちがわかるかどうか、になっているからだろうなあ。だいたい人の心なんて親しい友人でもわかるわけがないのだ。心を読んだ読まないで延々話されるとちょっと息苦しい。まあ、それがこの作品がウケているところでもあるんだけど。やっぱり最近は人間不信は流行らないのかね。

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