2007-07-21

アジアカップ準々決勝 日本×オーストラリア

結果は、延長まで1-1で進み、PKで4-3で日本の勝ちになった。

非常にストレスが溜まる試合だった。途中オーストラリア側に退場者が出たことで、オーストラリアはPK戦狙いのひきこもりサッカーになってしまったので、日本にとっては余計に難しくなってしまったような気がする。それで、PK戦で川口が2本止めてやっと勝利したわけだが、W杯のリベンジをしたという感じではないね。W杯予選でまた当たるとしたら、やっぱりかなり難しい試合になるだろうね。

この試合は、間違いなくオシムジャパンにとって今年一番重要な試合と言ってもいいでしょう。ジーコジャパンがW杯初戦で負けた相手なので、オシムの今までの強化の成果を計れるというのもあるし、W杯予選に向けて苦手意識を払拭しておきたいというのもある。それに、オーストラリアがA組2位になって準々決勝で当たることになって、さらに重要度が増したね。日本もオーストラリアも共に優勝候補筆頭同士ということで、ベスト8程度ではなかなか国に帰れないでしょう。強化も考えると、準決勝に進出すると負けても3位決定戦も戦えるということで、日本もベスト4が実質的なノルマだった。そういうのも含めて両者共プレッシャーのかかる試合になった。

立ち上がり、オーストラリアは果敢に攻めてきた。これに対して日本はきっちり守れていた。事前の報道にあったように、ビドゥカをマークしてボランチとDFで挟み込むというのが徹底していた。この辺の細かい調整は、さすがオシムという感じ。千葉時代にも証明したようにトーナメントも強いんだよね。

そして、前半も30分も過ぎるとオーストラリアの足も止まり、ラフプレーとシミュレーションのようなプレーが増えていく。これに対して今日の審判はやや日本よりの笛を吹いていて、結構ファールを取って何枚かイエローも出た。日本のプレーが終始クリーンだったというのも大きいかもしれない。審判に信用されているのだろう。しかし、日本も攻撃にあまりアイデアがない。今まで工夫の多かったセットプレーでも単純に放りこむようなボールが多かった。この辺はオーストラリアによく研究されていたんだろうね。

後半になっても基本は日本ペース。ビドゥカとアロイージの2トップに対する日本の守備が素晴らしい。セカンドボールもよく拾えてた。審判が日本寄りっぽいところもあり、次第にオーストラリア側にいらいらが募ってくる。ここでオーストラリアは思い切ってビドゥカをキューウェルと交代してくる。

これが奏功したわけでもないと思うが、先制点はオーストラリア。キューウェルのニアへのCKがファーに流れてアロイージが決める。まあ、これは誰かのせいというわけでもないかな。しかし、このアジアカップで日本は毎試合失点しているからね。まあ、オシムサッカーは千葉のときから失点多かったけど。熱さで集中力が欠けるというのもあるんだろうね。

先制点を取られて、視聴者の僕なんかは思わず頭を抱えてしまったのだが、しかし、日本はすぐに取り返す。俊輔のクロスを巻が落とし、相手DFがクリアをミスしたのを高原が奪い、華麗なシュートフェイントから落ち着いて決めて同点。これは素晴らしいゴールだった。高原は十分大会得点王を狙えるんじゃないだろうか。

そして、このすぐ後高原に肘打ちをしたということでオーストラリアの選手が退場。これにより試合は一気に膠着状態になった。オーストラリアはほぼ全員が自陣にひきこもり、前線にボールが入ったときにはキューウェルが時間稼ぎをするような、あからさまなPK戦狙い。しかし、日本もそれを崩せない。試合は延長に入るも、日本のクロスはオーストラリアDFに弾かれっぱなし。日本は、佐藤、矢野を投入したり、中澤を前線に上げたりするも決め切れなかった。

しかし、勝ち切れなかったとは言え(PK戦は記録では引き分けになる)、選手もオシム監督の采配も最善を尽したように見えた。オーストラリアくらいのチームに完全に引かれると、なかなか崩せるものではない。トータルで見れば、日本の方が良いサッカーをしていた。十分この1年でのチームの進化を実感できる試合だった。ただ、勝ててほんとに良かったな。負けていたら、こんなポジティブなコメントも言えなかったと思うと、素直に嬉しい。これでオシム監督の解任もなくなっただろうし、見る方はちょっと気楽に見れるかな。やる方が大変だと思うけど。

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