2007-07-25

成田良悟/バッカーノ! - The Rolling Bootlegs

バッカーノ!―The Rolling Bootlegs
成田 良悟
メディアワークス
2003-02
文庫

WOWOWでアニメも放送されている電撃ゲーム小説大賞金賞受賞作。つまりこれがデビュー作らしい。

明確な主人公がなく(フィーロはそれに近いが)、視点が目まぐるしく変わる。映画の『パルプ・フィクション』のような感じ。色んな人間の行動が絡み合っているという点では、サウンドノベルの『街 〜運命の交差点〜』あたりも彷彿とさせる。しかし、カオスな展開のこれらとは違って、最終的には「不死の酒」をめぐる話に収束する。

不死というのは、ライトノベルではメジャーな設定なのだが、この作品で面白いのは、不死者同士は相手を吸収することができるという点。相手を吸収することで知識や経験を自分のものにできる。だから、不死者同士は食うか食われるかというバトルロワイヤル的状況が発生する。不死になるのも良いことばかりではないというのが面白い。ある登場人物は、他の不死者を全て吸収することを目指し、ある人物はこの悪魔的特性から不死者をこれ以上増やさないように自分の知識を封印することにする。そして、再び「不死の酒」が製造されてしまう。マフィアが暗躍するアメリカ禁酒法時代を舞台に、この対立の話が展開される。

これだけの登場人物を複雑に組み合わせるのだから、新人の作品にしては構成力がかなり高い。ちょっとしたトリックもある。内容が薄くなりがちなライトノベルの1巻にしては、結構楽しめた。カットバックが多いので、映像化に向いているんじゃないだろうか。WOWOWだからアニメは見れないんだけどね。とりあえず、続編を読んでいこうかな、という感じ。

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