2007-03-02

シャイニング・フォース イクサ 総括 (その1)

大体やり終えたし、そろそろイクサの総括をしよう。

まずは、作っている会社、ネバーランドカンパニー(以下、ネバー)について。どんなゲームを作ってきたかは公式ホームページの開発作品)に詳しく載っている。代表作は、エストポリス伝記とカオスシード。両方とも2chの隠れた名作を挙げるスレなんかでは、よく名前が挙がるタイトルだ。最近でも、DSではルーンファクトリー、PSPでは煉獄と、活発に開発をしている。変わったところでは「風来のシレン外伝 女剣士アスカ見参!」なんていうのも実はネバー製だったりするらしい。

最初はタイトーの下請けとしてスタートしたネバーだが、SFCで発売したゲームはどれも鳴かず飛ばずで、窮地に陥いる。まあ、出る時期が遅すぎた。エストはともかく、カオスシードとエナジーブレイカーの発売は1996年。カオスシードは、PSのバイオハザードとほぼ同時期の発売だ。そりゃ見向きもされないだろうと思う。

そんなネバーを拾ったのが、まだサターンで頑張っていた、セガ。しかし、SSで出した仙窟活龍大戦カオスシードも、続けてDCで出したロードス島戦記〜邪神降臨〜(スネオとイクサの先祖だ)も、売り上げ的には惨敗で(特にロードスは数千本しか売れなかったとか)、両方とも今ではプレミアソフトになっている。

普通なら、ここでネバーを切るところだと思うのだが、セガはもう一度チャンスを与えた。それも、なんと、ほとんど売れなかったロードスを元にしたゲームだ。良くも悪くも、さすがセガ、としか言いようがない。それが、イクサの前作シャイニング・フォース ネオ(以下、スネオ)ということになる。そして、この作品は、一連の新生シャイニングプロジェクトと言われる作品群の中核として期待されていた。今度は、宣伝もしっかり行い、キャラクターデザインに、Harlem Beat と"あの"ドラゴンボイスの西山優里子を起用、テーマソングに、フジテレビのあいのりでブレイクした川嶋あいを起用と、気合の入った展開をする。

しかし、時は既に2005年である。RPGは、天外3、グランディア3、コードエイジ、ローグギャラクシーと軒並み悲惨な売り上げを記録している。一部のタイトル以外、はっきり言えば、ドラクエとKH以外のRPGは、一般層は見向きもしなくなってしまった。上に挙げたソフトはクソゲーとして有名なものばかりだが、個人的には逆だと思う。先にRPGの一般層の市場というものが崩壊したのだ。その結果、それまでのRPGの延長線上に作られた上記のタイトルは、失敗し、結果的にアラ探しをされてしまったのだと思う。まあ、ちゃんとプレーしたわけじゃないんだけどね。

RPGの市場崩壊が先なのか、PS2を筆頭とする既存のゲーム離れの結果なのか、その要因などは、ここでは語らないが、スネオの発売の時期には既に、DSの成功と前後して、既存のゲームに対する批判的な空気が蔓延していた。その中で、まるでターゲットを考えてないマイナータイトルがどういう結果になるかは火を見るより明らかだろう。結局、スネオは、発売後半年経っても売り上げ10万本に到達することができなかった。

しかし、その代わりに売れたのが、同じシャイニングプロジェクトでありながら、スネオプッシュの陰で、不遇だったシャイニング・ティアーズである(スネオと発売時期が被らないように、発売を前倒しにされたという噂も真しやかに流れている)。キャラデザに人気イラストレーターのTonyを起用し、主題歌を人気声優の保志総一朗に歌わせるという大胆な作戦で、女性とオタクにターゲットを絞ったティアーズは、ソフトの売り上げこそ、10万台前半なものの、継続的にフィギュアなどのグッズが販売され、(続編のウィンドの販促とは言え)2007年4月からはU局でアニメの放映も予定されている。

という文脈でイクサは発売されたわけだ。長くなったので続きは次エントリーで。

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