2007-05-11

樋口有介/探偵は今夜も憂鬱

探偵は今夜も憂鬱
樋口 有介

東京創元社

2006-11-11

文庫

柚木草平シリーズ第3段。今までの2作と違って、この作品は3編の中編が入っている。つまらなくはないのだが、やっぱり中編では物足りないな。樋口有介の作品は、話を追うだけだとちょっと寂しい。女の子がわんさか出てきて主人公があたふたするのが面白い。

個別に見ていくと、「雨の憂鬱」は、被害者、加害者、協力者が全員美女のパターン。今までのシリーズの縮小版。面白さも縮小されてる感じ。「風の憂鬱」は、失踪者したアイドルを探すというちょい変則な展開。残念ながらオチはあんまり面白くない。「光の憂鬱」は、死んだはずの夫から手紙が届いた謎を解くという話。これはちょっと面白い。ありがちなオチではあるが、夫に対する印象が最後に変わるのが良い。

全体的にはまあまあかな。しかし、中編のハードボイルドというのも微妙だよな。本格なら面白いのだろうけど。

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