2007-05-13

樋口有介/林檎の木の道

林檎の木の道
樋口 有介

東京創元社

2007-04

文庫

これは、「ぼくと、ぼくらの夏」の焼き直しっぽい感じはするが、まあ、焼き直しても面白いものは面白いからね。でも、「ぼくと、ぼくらの夏」の方が面白いかなあ。「林檎の木の道」の方がこなれた感じはするんだけど、ちょっと描写が単調になってる気がする。単純に場の雰囲気をそのまま風景描写に移す手法を多用しすぎに感じた。あと、「ぼくと、ぼくらの夏」の先生と体操少女の方がぐっと来るものがあったなあ。林檎も悪くないんだけどね。会話も「ぼくと、ぼくらの夏」の無理にウィットに富んだ感じにしているのが逆に新鮮に感じたのだが。それと、最後のトリックは、バイクに乗れたよりも親父の車で帰ってきたの方が良かった気が。ストーリーに無理が出てくるかな?

まあ、マンネリでも面白いものは面白い。特に女の子の描写がいいんだよね。ミステリーなのにまったりとだらだら読む感じ。しかし、まだまだ樋口有介って復刊が続いているんだよな。このままだらだらと読み続けていいものか。うーん。

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